
【伊賀】三重県伊賀市島ケ原の観菩提寺正月堂で11日、伊賀路に春を呼ぶ古儀式「修正会」の練り込みが営まれた。住民らが鬼頭や大餅などの「節句盛」を堂内に運び、五穀豊穣(ほうじょう)と除厄を祈った。
修正会は、同地区で稲作が始まった奈良時代が起源と伝わる行事で、県無形民俗文化財に指定されている。平成27年以降、各集落でつくる7組の住民団体「講」の講員らが携わっている。
この日、各講が手作りした節句盛を用意し、幹事役の講員「頭屋」の家を出発。講員らは旧島ケ原村内を練り歩き、境内に着くと「エトー」のかけ声とともに石段を上って本堂の中に進んだ。
節句盛を本尊の前に奉納した後、円になって全員で足を踏みならし「四で世の中良いように」などと数え歌で願い、万歳三唱。境内の到着順に7回繰り返し、各講の節句盛が横一列に並んだ。
地元の若者中心の「蜜ノ木講」で頭屋を務める峰貴大さん(31)は「祭りに興味を持ったローマからの参加者もいる。今年は各地から30人も集まり、最高の盛り上がりだった」と話していた。