
【津】湯の神を祭る三重県津市榊原町の射山神社で11日、熱湯を振りかけて無病息災を祈願する湯立て神事「御湯(みゆ)」があり、地域住民や観光客ら約60人が訪れた。
江戸時代から続く神事で一度途絶えたものの昭和30年代に復活し毎年この日に執り行われている。
拝殿で温泉の湯をはらう神事をした後、神職が境内中央の鉄鍋で湧き水の長命水と合わせてたき火に護摩木や絵馬をくべるとパチパチと音を立て大きな炎が上がった。
宮口重明宮司が笠取山のクマザサを鉄鍋に浸し「無病息災、家内安全」と唱えながら四方に湯を振りかけると、参拝者は皆こうべを垂れてしぶきを浴び、終了後は縁起物のクマザサを受け取った。
久しぶりに訪れたという市内の60代の女性は「最初から最後まで見たのは初めて。古式豊かな儀式だと感じた。お湯を浴びられてよかった」と感想を話した。