【伊勢】三重県伊勢市小俣町の市立小俣図書館で、太平洋の島国パラオと日本の国交樹立30周年を記念した企画展示が開かれている。両国の友好に尽くした故クニオ・ナカムラ元大統領と伊勢とのつながりを紹介するほか、元大統領から県に贈られた「友好カヌー」なども展示している。
企画展は市と県が共催。ナカムラ元大統領は、父が同市大湊町出身の船大工。平成5(1993)―13(2001)年に大統領を務め、日本との外交や貿易を重視し、パラオの発展に尽くした。父の故郷である伊勢には特別な思い入れを持ち、大統領就任前から公私で度々訪れ、友好を深めた。平成8年には県と友好提携を結んだ。
展示では、ナカムラ元大統領とその家族の生い立ちや、父の船大工仲間だった大湊の人たちとの長年にわたる家族ぐるみの交流の様子など、当時の写真の複写を添えて紹介。姉妹校提携を結んだ同市の旧大湊小学校とパラオのコロール小との交流の記念として、コロール小から贈られた民芸品なども並ぶ。
展示を担当した谷口康雄館長は「ナカムラ元大統領は、伊勢、大湊とのつながりを大切にしながら、国同士の国際的な関係を深めた。大湊とのつながりが国造りの原動力となったことを知ってもらいたい」と話していた。
20日まで(カヌーの展示は13日まで)。火曜休館。