▼国民スポーツ大会(旧国民体育大会)へのスタンスを巡り、県議会総務地域連携交通常任委で対立する三谷哲央県議と県当局のやりとりを新聞で見て、焦点でもあるその方向を決める準備委員会について、両者の考え方は似ているのではないかと思ったのは、気楽な傍観者だからだろう
▼令和17年の県内開催には「今から見直しの議論をすべき」と訴える三谷県議に対し、県当局は「県内開催の内々定を得た後に議論する」。「順序が逆」だと三谷県議は反発した
▼県当局が議論開始の場とする準備委員会なる会合に対する考え方が似ているのである。まず、三谷県議。「この類いは事務局の案がしゃんしゃんで通るのが通例」。だから、それまでに議論してベストの案を「準備委に提示すべき」。準備委の議論などまるで信用していないのである
▼県当局はどうか。「言葉より行動を見よ」が県当局の方向を知る一つの視点だが、この場合、準備委についての言葉はなくとも「しゃんしゃんで通るのが通例」の事務局案をまずきちんと固めてから、承認の“お墨付き”を得るだけの役割の準備委を発足させようというのである。準備委の議論など、まるで当てにしていないのは三谷県議、県当局とも同じなのではないか
▼違いは、国スポの在り方を一から議論しようという理想論の三谷県議に対し、そこらは日本スポーツ協会や全国知事会の議論に任せ、財政負担の行方を見定めてから態度を決めようという現実論の県当局であり、両者が水面下でぶつかり合っているようにも見える。