皇學館大と四日市大が直接対決 三重学生野球春季リーグ、首位攻防戦へ

【バットを振り込む伊東選手(皇學館大)】

三重県内5つの大学・高専が2戦先勝の勝ち点制で優勝を争う東海地区大学野球連盟三重県リーグの春季リーグ戦(伊勢新聞社後援)が佳境を迎えている。29、30日に名張・メイハンスタジアムで予定される第5週で開幕から連勝を続ける2校が直接対決。6連勝(勝ち点3)で暫定首位の皇學館大が勝ち点を4に伸ばせば9季連続のリーグ優勝達成。5連勝(勝ち点2)で暫定2位の四日市大が2連勝して勝ち点で皇學館大に並べば2018年春以来のリーグ優勝に大きく近づく。全日本大学野球選手権の出場校を決める東海地区大学春季選手権(5月20日・ダイムスタジアム伊勢)進出も目指す両校を紹介する。

■皇學館大
今季6試合中5試合が二桁得点でのコールド勝ち。打率4割7分6厘の4番村田怜音(4年・相可)、4割7分4厘の3番井田翔斗(4年・津商)ら経験豊富なクリーンナップがいる一方で下位打線からでもチャンスをつくれる。「打者個人は決して本来の調子ではない」とする森本進監督も「自分たちの役割を理解した上でつながりの中から得点できている」と見る。

8番、捕手で大学最後の春にスタメンの機会をつかんだ伊東樹里(4年・東邦)らもおり最上級生の意地に期待。野球部の部員数は県内最多の138人。うち学生コーチ含む4年生19人がそれぞれの持ち場でチームを支えている。優勝をかけた大一番を前に「簡単な試合にはならない」と警戒する主将の岡田一晟(4年・東邦)は「チャンスで何点でも点を取って行き皆で9連覇を達成したい」。

伊東樹里捕手(4年・東邦)
4年春に8番・捕手で定位置取り。肩の強さやキャッチング能力に加え観察眼に優れた捕手で森本監督も「周りが良く見えている」。愛知・東邦高時代ブルペン捕手として2019年春センバツ優勝に貢献した経験も生かしたい。

打者としては意外性ある打撃が持ち味。大学入学以降「バッティングを伸ばさないと試合に出られない」と地道にバットを振ってきた。今季これまでに5打点をたたき出す。

攻守で活躍してきた今季最後の試合は全勝校同士の対決。僅差の試合が予想され「守備で輝けるチャンスがある」と感じている。「長打が出ないようなリードをして最少失点に抑えたい」と気を引き締めている。

【打撃練習で下釜主将のアドバイスを聞く中阪選手(四日市大、左)】

■四日市大
2018年春以来のリーグ優勝を目指している。昨年の秋、皇學館大戦で1勝1敗のタイに持ち込むも3回戦で敗れて同校に次ぐ準優勝。その悔しさを知る主戦右腕飯田幸大(4年・酒田南)、主砲の下釜礼貴(4年・星城)らに「やり返したい気持ちが強いはず」と話す黒田司監督。「大量点は取れない。取れるところでしっかり点を取って1点差のゲームに持ち込みたい」。

新戦力もチームに勢いをつける。昨季のリーグ首位打者で今季も打率6割1分5厘と絶好調の下釜に続くのがともに打率4割超の黒瀬大喜(1年・山陽)や中阪灯岐(2年・日南学園)。思いきりの良い打撃の黒瀬は1番、選球眼にも優れる中阪はつなぎ役での起用が多い。「4年生は人数が少ないので優勝には下級生の力も必要」と話す主将の下釜も同学年と協力し、後輩らが伸び伸びプレーできるよう普段の練習から雰囲気作りも重視する。

中阪灯岐内野手(2年・日南学園)
守備の人が昨季の3位校に2連勝した鈴鹿大戦でラッキーボーイ的な活躍を見せた。9番、遊撃手でスタメン出場を果たした1回戦。5―5の八回2死走者なしの場面で勝ち越しの口火を切る左越え三塁打を放った。

「3、4、5番に頼りになる人たちがいるのでつなぐ意識で立てた。できすぎです」と無欲の打席を強調する。

選球眼にも優れ、2番打者で起用された2回戦では6打席中4打席で四死球に乗じて出塁を果たした。「ボールが今、見えている」と手応えを深め、「大学最後の年の4年生に優勝させてあげたい」と先輩たちに捧げる活躍を誓う。

今後の試合予定は次の通り。

【4月29日(メイハンスタジアム)】①皇學館大―四日市大1回戦②鈴鹿大―近大高専1回戦
【4月30日(メイハンスタジアム)】①近大高専―鈴鹿大2回戦②四日市大―皇學館大2回戦
【5月1日(霞ケ浦球場第1)】①四日市大―近大高専2回戦②鈴鹿大―三重大2回戦
※試合開始予定時刻は①10時~②13時~。予備日は5月2日(霞ケ浦球場第1)6、7日(ダイムスタジアム伊勢)13、14日(安濃球場)