
三重県議選の投開票から一夜明けた10日、各党の代表らが県庁で記者会見し、選挙結果を振り返った。自民は単独過半数を果たせなかったことから「厳しい結果」としつつ、最大会派の奪還に向けた調整への意欲を示した。一方、新政みえ系は21人全員の当選を「百点満点」と喜びつつ、候補者の擁立が難航したことを課題に挙げた。
公認候補のうち4人が落選した自民県連の津田健児幹事長は「悔しく思う。県民が突きつけた結果」と説明。「単独過半数を目指したが、甘かった。油断があった。身近で細かな活動が不足した」と語った。
分裂している自民系会派については「一つになるべき」と説明。公認を出さなかったが自民党籍がある松浦慶子氏を会派に加えるほか、自民系の会派「草莽」と合流に向けて近く話し合いをする考えも示した。
公明党県本部の中川康洋代表は、公認2氏の上位当選を強調。「(対抗馬は)新人が多く相当な危機感を持っていたが、危機感が陣営にも伝わって最終盤は締まった選挙になった」と振り返った。
公明が推薦した自民候補のうち4人が落選したことには「残念だった。特に鈴鹿市選挙区は2人とも当選してほしかった」と指摘。次期衆院選は「常在戦場。どんな時期になろうとしっかり取り組む」と語った。
立民県連の中川正春代表は、立民を含む新政みえ系の21人全員が当選したことについて「喜ばしい」と語った。「全国的に野党は厳しい戦いを強いられたが、三重では三重県方式が生きた」と分析した。
最大勢力を奪還できなかったことには「定数減もあり、勝てる体制をつくるのは難しかった」と説明。女性の新人候補を擁立できなかったことにも言及した上で「挑戦できる候補者を探したい」と語った。
新政みえの稲垣昭義選対委員長は21人全員の当選について「選挙だけで言えば百点満点の結果」と評価。「立民や国民、連合三重と一丸で戦った結果。子ども政策などの訴えが評価された」と述べた。
一方、過半数の候補者を擁立できなかったことについては「かなり苦戦した」と説明。最大会派を自民に奪われる可能性があることには「最大会派でなくなったとしても県政の中心でやっていく」と語った。
津市選挙区で一議席を奪還するも、四日市選挙区で現有一議席を失った共産党県委員会の大嶽隆司委員長は厳しい表情。率直な感想を問われると、言葉を詰まらせた後に「(喜びと残念が)半々」とこぼした。
「両選挙区の共通点は自共対決だった」とし、25歳の共産新人が当選した津市選挙区は「これまでと違う人が応援してくれた」と評価。四日市市選挙区は複数の対抗馬に票を奪われたことを敗因に挙げた。
議員定数が削減された伊賀市選挙区でトップ当選を果たした草の根運動いがの稲森稔尚代表は「定数減による厳しい選挙を覚悟していた。最後まで結果が分からず、どきどきしながら見守っていた」と語った。
定数減への強い反発を訴え、1年半にわたって約1万5千世帯を訪問したことが奏功したと分析。「伊賀市の定数減は絶対に許さないという思いで、死に物狂いで活動したことが大きかった」と振り返った。