江戸の織物「津綟子」を再現 津で手織りグループ作品展 三重

【手織りグループ「しおり」の作品が並ぶ会場=津市久居東鷹跡町の市久居アルスプラザギャラリーで】

【津】三重県津市を拠点に活動する手織りグループ「しおり」(中戸弘美代表、15人)は31日、同市久居東鷹跡町の久居アルスプラザギャラリーで作品展「あの津木綿と津綟子(つもじ)」を開いた。草木染した糸を高機で織った「あの津木綿」の反物や、江戸時代津藩の特産物だった織物「津綟子」を再現した着物や小物など計約百点を展示している。4月2日まで。入場無料。

同団体は平成12年から江戸時代伊勢国の織物として人気を博した縞(しま)木綿を研究しデザインに独創性を加えた「あの津木綿」を手織りするほか、明治期に技術が途絶えた津綟子の再現に取り組んでいる。

四年ぶりの作品展ではメンバーが丹精込めた新作の反物が並ぶ。反物で製作したストール、バッグ、見本帳の「縞帳」などのほか、麻と絹で織った津綟子を藍染めして仕立てた着物、津藩伝統の「なすびうちわ」と津綟子のコラボもある。

伊勢商人の木綿問屋が並ぶ歌川広重の錦絵「東都大伝馬街繁栄図」のフォトスポットもあり、中戸代表(61)は「江戸時代からの伝統を津の方々に知っていただきバリエーションに富んだ展示を楽しんでほしい」と話した。