弥生時代の環濠見つかる 松阪の神戸遺跡、きょうから速報展 三重

【神戸遺跡の環濠と多量の土器(松阪市提供)】

【松阪】三重県の松阪市文化財センターは25日から、同市外五曲町のはにわ館ロビーで神戸遺跡発掘調査速報展示を開く。弥生時代の環濠が見つかり、多数の土器が出土した。会期は6月4日まで。

発掘調査は同市下村町の宅地開発工事に伴い、2月9日から今月18日まで、約266平方メートルを対象に実施した。近くに神戸神館神明社や大型円墳の久保古墳がある。

弥生時代の環濠は幅約2メートル、深さ約1・6メートル。当時の集落を囲むように掘削された大規模な溝とみられ、溝の中からつぼや高坏(たかつき)など多量の土器が出てきた。井戸跡からは完全な形を保ったつぼを掘り出した。他に鎌倉―室町時代の土坑や建物跡の柱穴を確認し、柱材の基部が多数残っていた。

同センターは「出土遺物の特徴から集落が営まれた時期は約1700年前の弥生時代後期末と考えられる」としている。