名張市室長を減給1カ月 贈収賄事件で逮捕・起訴、懲戒免職処分

【名張】三重県名張市発注の工事を巡る贈収賄事件で、市は10日開催の市議会全員協議会で、収賄容疑で逮捕、起訴された、市都市整備部営繕担当室長中西隆之容疑者(52)=同市百合が丘東=を同日付で懲戒免職とし、管理監督責任として都市整備部長の男性(60)を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にしたと発表した。

中西容疑者は令和3年3月に契約締結した市発注の電源工事の随意契約を巡り、施工業者に便宜を図った見返りにゴルフクラブを受け取った収賄容疑で2月15日に逮捕、3月7日に同罪で起訴された。また別の工事でも施工業者に便宜を図った見返りに現金十数万円を受け取ったとして、7日に再逮捕されている。

市によると、中西容疑者は逮捕から起訴までの休職期間を有給扱いとし、七日の起訴を受けて起訴休職処分としていた。9日に開いた職員懲戒審査委員会で逮捕後初めて中西容疑者本人と約15分間の接見を実施。収賄の事実を全面的に認めたことから処分を決めた。中西容疑者は「市民の方に迷惑をかけた。土下座してでも謝りたい」と涙ながらに謝罪したという。

また市は贈賄側の小川電気工事(桔梗が丘四番町)を3月1日―6月30日まで、中嶋工業(富貴ケ丘三番町)を10日―7月9日まで、それぞれ4カ月間の資格停止処分を報告。再発防止策として、5月下旬に全職員を対象にコンプライアンス研修を実施するほか、契約担当職員を対象に契約事務に関する収賄等の防止に向けた特別研修を実施するとした。

北川裕之市長は「再逮捕については就任後の事案で大変重く受け止めている。ご迷惑をおかけして申し訳ない」とあらためて陳謝。終了後の囲み取材に対し、自身の責任については「適切な時期に判断したい」と述べるにとどまった。