半導体振興へ産学官連携 三重県、ネットワーク設立

【「みえ半導体ネットワーク」の設立総会であいさつする一見知事(左)=津市羽所町で】

半導体関連の産学官でつくる「みえ半導体ネットワーク」の設立総会が2日、津市羽所町のホテルグリーンパーク津であった。会長に一見勝之知事、副会長に三重大の伊藤正明学長を選出。半導体関連人材の確保や育成で協力することを確認した。

県によると、半導体の安定供給に向けた専門人材の確保が課題となっていることを受け、県が呼びかけて設立。国内有数のメーカーが県内に進出していることや、経済安全保障の重要性も踏まえて設立した。

四日市市、桑名市、高等教育機関などの11者で構成。県内に進出しているウエスタンデジタル、キオクシア、ユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン、ジャパンマテリアルが加わる。県は事務局も担う。

ネットワークでは、半導体関連企業によるインターンシップの受け入れや大学への講師派遣などを通じ、企業と学生の結びつきを強める方針。共同研究や社員向けのリカレント教育(学び直し)も進める。

一見知事は冒頭のあいさつで「県は電子部品・デバイスの出荷額が全国1位。半導体に必要な水、電気、人の全てがそろっている」と強調。「半導体産出県として、振興にオール三重で取り組む」と述べた。

半導体関連企業の出席者からは「半導体が、これほど注目されたことはなかった」「人材確保が厳しくなっている。ネットワークの人材育成に企業側としても期待している」との声が上がった。