鳥羽市、過去最大規模124億円 新年度当初予算案、人や地域のつながり重視

【令和5年度当初予算案について説明する中村市長=鳥羽市役所で】

【鳥羽】三重県の鳥羽市は27日、令和5年度当初予算案を発表した。一般会計は対前年度比7・3%増の124億6千万円で、過去最大の予算規模。中村欣一郎市長は「つなぐ・つながる・つなげる予算」と名付けた。3月1日開会の市議会3月定例会に上程する。

中村市長は「人や地域のつながりを重視し、主要産業の漁業や観光業といった地域経済の下支えや物価高騰対策、(市人口が1万人を下回ると予想される)2040年に向けたまちづくりなど、さまざまな分野において挑戦的に取り組むための予算」と説明。「コロナ禍からの回復と新しい時代に向けた改善」「地域共生社会の実現に向けた施策」を重点施策に掲げた。

歳入では、市税が対前年度比0・5%減の27億3348万円。地方交付税が7・9%増の36億9千万円。市債発行は4・7%減の7億760万円で、5年度末の市債残高は108億9692万円となる見通し。

一般財源の不足に伴う財政調整基金からの取り崩し額は前年度と同額の1億円で、5年度末の同基金残高は7億8669万円となる見込み。

歳出は、人件費と扶助費、公債費を合わせた義務的経費総額が1・5%減の52億2736万円。投資的経費は鳥羽東中学校大規模改修工事などの増額を見込み、61・2%増の11億3572万円とした。

主なソフト事業では、鏡浦地区診療所分室の配置見直しなどのため、マルチタスク車両を活用したオンライン診療導入に向けた医療MaaS実証調査に1975万円。住民同士や地域外の人たちがつながり支え合う地域共生社会を目指し、地域活動の掘り起こしなどを行う地域づくり推進事業に1947万円を計上した。

ハード事業では、中央公園を中心としたにぎわいの創出や利便性向上に向けた芝生広場の整備事業に8千万円。旧長岡中学校を活用した消防団格納庫整備工事費など消防施設整備維持管理経費に1761万円を盛った。

このほかの主な事業は次の通り。

地震対策推進事業300万円▽地域交通事業536万円▽地域脱炭素化促進事業950万円▽水産研究所維持管理業務289万円▽観光振興推進事業2千万円▽多様な旅行者の受入推進事業1671万円▽地域のしごと魅力発信事業803万円▽離島救急患者搬送費補助事業245万円▽海洋教育推進事業56万円▽生涯スポーツ振興事業343万円▽老朽化した定期船の代わりとなるアルミ型双胴船建造費1億6527万円(令和6年度完成予定で総事業費は約5億6270万円)。