幕末の写真家・津藩士堀江鍬次郎を紹介 東京の三重テラス

【堀江鍬次郎や津市の写真文化について話す松原さん(右)と中村さん(左)=東京都中央区日本橋室町の三重テラスで】

津市は東京都中央区日本橋室町の三重テラスで、市の魅力発信を目的に、津藩士で日本の写真技術の礎を築いた堀江鍬次郎など写真をテーマにしたパネル展とトークショーを開き、2日間で約240人が来場した。

堀江鍬次郎は幕末、津藩からの留学生として幕府が開設した長崎海軍伝習所に派遣される。そこで写真術に出会い、日本の写真の祖と言われる上野彦馬と学び、江戸・津藩邸や津の藩校・有造館で写真術を向上させた。

生涯を紹介する展示のほか、堀江が撮影したと言われる現在唯一残っている上野彦馬を撮った写真(日本大学芸術学部所蔵)のパネルや令和元年に千代田区が発掘調査した藤堂藩上屋敷の解説なども交えたパネルの展示があり、訪れた人たちは食い入るように眺めていた。

トークショーでは、津市在住の写真家松原豊さんと市学芸員の中村光司さんが堀江の生涯や現在の津の写真文化の活発な様子などを解説した。

都内在住の70代の男性は「上野彦馬は知っていたが堀江鍬次郎は初めて知った。魅力的な人なのでもっと多くの人に知ってもらいたい」と話していた。