菰野町長選告示 現新2氏、舌戦スタート 町議補選も

【(右から)諸岡高幸氏と柴田孝之氏】

【三重郡】任期満了(3月2日)に伴う菰野町長選と議員辞職などに伴う町議補選(欠員二)は31日、告示された。町長選は元副町長の新人諸岡高幸氏(70)=田光=、再選を目指す現職の柴田孝之氏(50)=1期、菰野=(届け出順)が、町議補選にはいずれも無所属新人の3氏が立候補し、選挙戦が幕を開けた。

町長選は、新名神高速道路インターチェンジ周辺開発と企業誘致、近隣市町との連携と観光振興、待機児童対策など子育て支援、防災・防犯対策などが焦点。2氏は立候補を届け出た後、事務所などで第一声を上げ、舌戦に入った。投票は2月5日で、即日開票される。

期日前投票は、町役場2階会議室で、2月1―4日午前8時半―午後8時。投票は2月5日午前7時―午後8時に町内8箇所で実施。開票は同日午後9時15分から同町体育センター(福村)で。同11時ごろの結了を見込んでいる。

1月30日現在の選挙人名簿登録者数は3万3570人(男1万6445人、女1万7125人)。前回平成31年の町長選の投票率は54・90%。

諸岡候補「本来の姿を取り戻す」

諸岡候補は午前9時ごろから菰野町田光の多比鹿神社で出陣式を開き、集まった支持者約150人(主催者発表)を前に「町を愛する方から怒りの声が届いている。高齢者世帯の増加で区役員、消防団員の確保も困難になる中、町のために汗を流してきた方の心が疲弊する、そんなことがあって良いのか。いま変えなければ」と変革を訴えた。

諸岡候補は「私が仕えた四人の町長は町民の意見を聞き、知恵を得ながら一歩ずつ進んで来られたが、現町長は個人的な感情で事業や補助金をカットするなど政治姿勢は目に余るほどひどい」と現町政を批判。「本来の姿を取り戻すという強い信念を持って立ち上がった。町長は町民の意見を広く吸収し、公平に判断しなければいけない」と訴えた。

さらに重点課題として、子育て支援、経済活性化による町作り、地域コミュニティ強化を挙げ「町長たる者は地方自治体のリーダーとして命をかけて町民の安全を守らねばならない。国、県、近隣市町と信頼、連携、協力関係を築き、町の発展に繋げていかなければいけない」と強調した。

出陣式には地元選出の舘直人、服部富男両県議らが出席。諸岡候補は後援会青年部の河内洋樹氏の音頭で「エイエイオー」を三唱して気勢を上げ、街宣車で町内への遊説に向かった。

柴田候補「改革を後戻りさせない」

柴田候補は午前9時ごろから、菰野町菰野にあるカフェの前で出陣式を開いた。

連日の寒さの中、負担をかけまいと、出陣式をやるかやらないか検討した。制限した中で支援者約30人が集まり、「寒い中、このように集まっていただいて、本当にありがとうございます」と、まずは感謝の言葉を述べた。

その上で「絶対にこの選挙を勝ち抜いて、改革を後戻りさせない」と決意を語った。

争点がないといわれる中、柴田候補は「争点は極めてシンプルで明確。私が町長になる前に戻るのか、それとも私が町長になってから進めてきたことをもっと前に進めていくか、その政権選択の選挙」と強調。

さらに「まいた種をすべて花開かせる、そんな選挙にしていきたい。これから五日間のご支援よろしくお願いします」と呼びかけた。

県町村会長の西田健紀宝町長をはじめ、城田政幸川越町長、矢野純男朝日町長、加藤隆木曽岬町長、水谷俊郎東員町長、日沖靖いなべ市長らが駆けつけ、激励の言葉を述べた。森智広四日市市長、山本佐知子参院議員らからのメッセージも届いた。

最後に全員でガンバロー三唱で士気を高めた後、柴田候補は車に乗り込み、街宣に向かった。