2022年7月31日(日)

▼全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果、県内児童生徒のテレビゲームの時間が長いことについて、木平芳定県教育長が「全国的な傾向だが、多い印象がある」。3時間以上という割合が全国平均を上回り、読書割合は下回っている調査結果がはっきり出ている

▼この結果は今回初めてではない。鈴木英敬前知事は「多い」と明言し、学力テストとの関連を認めていた。今ごろ「多い印象がある」というのは責任の所在をあいまいにするためか。教育者として、どうかという気はする

▼学校配布の端末でゲームができるかどうかの報道陣からの質問に、県教委担当者が「市町で端末が異なるので一概には言えないが、いろんなものを見たりできるようにはなっている」というのも、教育長の答え方を倣ったか。機能的に「できる」ことは分かっているが、前置きにまぎれをつけたいのだろう

▼「学校以外の学習時間が短い」(木平教育長)は、家庭にも責任があると言いたいのか。「読書に親んでもらう取り組みをしているが、響いていない部分もある」。「部分も」というのがいかにも未練がましいが、おおむね響かせることができていないという意味である

▼学力テストの平均正答率は中学の数学を除く5教科で全国平均を下回った。前年度比で、小学校の国語と算数は全国平均との差が広がり、中学校の国語で縮まった。鳴り物入りで始めた「みえの学力向上県民運動」や学習指導員の学校派遣などについて経過を含め成果などは特に触れていない

▼忘れたわけでもなかろうが、触れたくないのかもしれない。