吃音への理解深めて 伊勢で1日限定カフェ 若者ら接客、会話楽しむ

【訪れた人と会話を楽しむ玉田さん(中央)=伊勢市岩渕のカフェバー&ショップ「伊勢之里 DE ippuku」で】

【伊勢】話し言葉が滑らかに出ない発話障害のひとつ「吃音(きつおん)」への理解を深めてもらおうと、三重県伊勢市岩渕のカフェバー&ショップ「伊勢之里 DE ippuku」で23日、吃音の若者らが接客する「注文に時間がかかるカフェ」が1日限定でオープンした。

同カフェの発起人は吃音当事者の奥村安莉沙さん(30)=東京都=。カフェ店員に憧れていたが吃音を理由に諦めた自身の経験から、吃音で悩む若者に接客体験を通して自信を持ってもらい、客がスタッフと交流することで吃音について知ってもらおうと、昨年8月から全国各地で1日限定のカフェを開いている。

5回目となる今回は、自らも吃音を持ち、「大学時代のアルバイトでの接客経験が自信につながった」と話す伊勢市職員の小海途悠真さん(27)が、交流サイト(SNS)で同カフェの活動を知り、同市でも吃音の若者が接客に挑戦する場を設けようと奥村さんに開催を呼びかけた。

伊勢之里が開催場所を無償で提供し、接客スタッフとして小海途さんとともに県外から大学生の石井椋さん(21)と短大生の玉田菜月さん(20)が参加。2人はカフェで無料提供する伊勢茶を使ったスイーツ開発などにも取り組んだ。

この日は、事前に予約をした約35人が県内外から訪れた。接客スタッフは「言い終わるまで待ってください」「他の人と同じように接してください」などと説明。客から注文を取り、奥村さんが飲み物などを用意すると、テーブルに運んで会話を楽しんでいた。

愛知県から友達と訪れた女子高生(17)は「自分も吃音なので興味があってカフェに来た。私も接客業に挑戦していいんだと勇気づけられた」とにっこり。

玉田さんは「しゃべれなかったらどうしようと不安だったが、皆さんが優しく聞いてくれたので話すことを楽しめた」、奥村さんは「注文に時間がかかるカフェの活動を全国に広げたい」と話していた。