かつおの天ぱくを登録 国の有形文化財答申、伊藤家土蔵も

【かつおの天ぱく作業場】

国の文化審議会は22日、三重県四日市市富田の於茂千也函(おもちゃばこ、伊藤家住宅土蔵)、かつおの天ぱく(志摩市大王町波切)の主屋と作業場を、登録有形文化財(建造物)とするよう末松信介文部科学相に答申した。

県教委によると、於茂千也函は江戸時代に鋳物業などを営んだ伊藤家の土蔵。明治期には酒蔵として使われた。玩具集めが趣味だった三代目吉兵衛が昭和7年ごろ、玩具の収蔵庫として改修した。

【伊藤家住宅土蔵】

現在も約5万点の郷土玩具を収める。鬼瓦や奥座敷のくぎ隠しには、吉兵衛の雅号にちなんでコウモリの意匠が使われている。県教委は「玩具集めに興じた趣味人にふさわしい造り」としている。

かつおの天ぱくは大王崎に建つ昭和26年完成の鰹節製造場。「いぶし」や「かびつけ」の工程を担う小屋と住居部分をつなぐ大屋根の下に作業場があり、カツオを漬け置く水槽や煮熟窯などを備える。

現在も手作業にこだわった生産を続けている。昭和期には大王町内で100軒ほどあったとされる鰹節製造場は、現在では数軒にとどまる。県教委は「伝統的な産業を伝える貴重な建造物」としている。

これらを含め、文化審議会は全国で136件の建造物を登録有形文化財とするよう答申した。これにより、登録有形文化財の建造物は全国で1万3546件、県内では312件となる。