三重県立大は南部に設置を 15市町長が県に要望

【一見知事(右)に要望書を手渡す市町長ら=県庁で】

三重県南部の15市町は14日、県が設置の是非を検討している県立大は「人口減少の対策につながる」として、県南部に設置するよう求める要望書を県に提出した。一見勝之知事は「要望を重く受け止める」としつつ、財政面などに課題があると説明。効果が乏しかった場合の「政治責任」にも言及した。

要望書は、高校卒業者の約8割が県外の大学に進学していると指摘。特に県南部では「大学進学を希望する生徒の多くが転出し、大学卒業後も地元に戻らず県外で就職することが多い」と訴えた。

その上で「県立大は就学だけでなく、地域の活性化や人口減少対策、若者定着に大きな効果がある」と強調。「今後の検討で県立大を設置することになれば、南三重地域への設置を強く要望する」としている。

伊勢市を除く県南部の5市10町が提出。13日には四日市、桑名、いなべ、木曽岬、菰野、朝日、川越の7市町がJR四日市駅周辺に県立大を設置するよう求める要望書を県に提出したという。

この日、市町長らが県庁で一見知事に要望書を手渡した。竹上真人松阪市長は「これだけの市町長が要望に訪れていることだけでも熱い思いを感じてもらえるはず。ぜひ南部に設置してほしい」と述べた。

加藤千速尾鷲市長は設置の検討についても「前向きに進めてほしい」と要望。設置先は「人口減少が激しい所を視野に検討してほしい。尾鷲市に県立大ができれば、10年間の人口減をカバーできる」と訴えた。

一見知事は「思いはしっかり伝わった。知恵を結集し、しっかりと考える」としつつ、「財政的に苦しく、おそらく県だけでは無理」と説明。公立大卒業生の県内就職率が20%程度にとどまる他県の例を紹介した。

「ふたをあけて(県立大卒業者の)県内就職率が低ければ、政治責任になってくる」とも発言。「リスクを取らなければ何もできないが、皆さんと相談しながら検討していきたい」と語った。

県は3月、県立大設置の必要性が「一定ある」とする有識者会議の報告書を公表した。県民や事業者を対象に実施するアンケートの結果などを踏まえ、年度内にも設置の可否を判断する方針。