山本氏が初当選 参院三重選挙区、新人3氏破り自民独占

【万歳で当選を喜ぶ山本氏(中央)=四日市市松本3丁目で】

第26回参院選は10日投開票され、三重選挙区(改選数1)は自民党新人の山本佐知子氏(54)=公明党推薦=が無所属新人の芳野正英(47)=立憲民主、国民民主両党推薦=ら3氏を破り、初当選を果たした。

今期限りで引退する立民現職、芝博一氏の議席を与野党の新人2氏が争う事実上の一騎打ち。自民が前回参院選に続く勝利で県内の参院2議席を独占するか、野党が芝氏の議席を維持するかが焦点となった。

自民が県内の参院2議席を独占するのは、平田耕一参院議員(当時)が衆院に転出した平成12年以来。自民は昨年の衆院選で比例復活を含めて当選した4氏を含め、県内の国会議員を6人に増やした。

参院選への挑戦は2度目となった山本氏は、県議時代の経験や自公政権による「政治の安定」を強調しての活動。自民が強い県南部だけなく、幅広い地域からの支持を集め、序盤から戦いを優位に進めた。

党も「最重点区」(茂木敏充幹事長)と位置付け、閣僚経験者ら〝大物弁士〟を相次いで投入。岸田文雄首相は公示前後に1回ずつ応援に入り、凶弾に倒れて死去した安倍晋三元首相も応援弁士を務めた。

山本氏と同じく2度目の参院選に挑んだ芳野氏は、立憲民主の県選出国会議員や新政みえの県議、連合三重などの支援を得て活動を展開。立憲民主の泉健太代表や連合の芳野友子会長らも応援に入った。

旧民主系が強い北勢を中心に支持を広げ、報道各社や政党による世論調査では中盤以降に追い上げを見せるも、山本氏優位の戦況を覆すほどの支持拡大には至らず。終盤まで知名度不足に悩まされ続けた。

NHK党新人の門田節代氏(54)は、NHKのスクランブル放送化や年金受給者の受信料免除などを掲げるも及ばず。参政党新人の堀江珠恵(47)は教育政策の転換などを訴えるも、広がりに欠けた。

【花束を手に当選を喜ぶ山本氏=四日市市松本3丁目で】

山本氏、喜びと覚悟新た 安倍元首相に激励受け

三重県四日市市松本3丁目にある山本佐知子氏の選挙事務所では、午後8時の開票開始と同時に当選確実の知らせが入り、集まった支持者からは拍手と歓声が上がった。まもなく事務所に姿を現した山本氏は、支持者らとの万歳で喜びを分かち合った。

山本氏は当選のあいさつで、支持者らに「皆さんのおかげで当選を勝ち取ることができた」と謝辞。「この流れを前へ前へと進めていく。皆さんの期待に添えるよう、仕事を前に進めたい」と語った。

銃撃で死去した安倍晋三元首相から「真の勇者とは転んでも起き上がって挑戦する人だ」と激励を受けていたと紹介。「この言葉に恥じない人間になりたい。皆さんのために働く覚悟を新たにした」と語った。

この後、報道陣のインタビューに「物価高や経済対策、感染防止対策を講じながらの観光支援を進める」と強調。安倍氏への銃撃について「信じられない気持ち。民主主義への冒とくは許されない」と語った。

また、田村憲久県連会長はあいさつで「民主王国から大きく変われる審判をいただいた」と強調。「それだけに精進し、県民の期待に応えられる政党にならなければならないと、改めて覚悟している」と述べた。

自民党の県選出国会議員や公明党県本部の中川康洋代表、県内の市町長らも出席。万歳に先立ち、参加者らは安倍氏への黙とうをささげた。山本氏はインタビューの後、津市と桑名市の選挙事務所に向かった。