絶滅危惧ネコギギの稚魚放流 鈴鹿高生ら、ふ化し飼育 三重・亀山

【ネコギギの放流に参加した奥田部長(前列右端)と部員ら=亀山市内で】

【亀山】国の天然記念物で絶滅危惧類の淡水魚ネコギギの生息域外保全に取り組む、鈴鹿高校自然科学部と鈴鹿中等教育学校科学部は9日夜、三重県亀山市内の鈴鹿川水系に稚魚9匹を放流した。

【ネコギギを川に放流する部員ら=亀山市内の川で】

同校自然科学部は、平成19年度から伊勢湾に注ぐ鈴鹿川水系に生息するネコギギ(ナマズ目ギギ科)の生息観察を始め、これまでに成魚を捕獲し、同校の水槽で産卵、ふ化させ増殖させた稚魚や成魚を同29年度から鈴鹿川水系の川に放流している。

【国の天然記念物で絶滅危惧類のネコギギ(亀山市提供)】

また、同年には、市と学校法人鈴鹿享栄学園が、鈴鹿川水系に生息するネコギギの個体群の補強と生息域の拡大を目的に、「ネコギギ生息域外保全事業に係る飼育協定」を締結している。この日は、両自然科学部の部員18人と西飯信一郎顧問と市文化部職員ら計22人が、令和元年度に同校で生まれふ化させた体長約7―11センチの雄1匹と雌8匹の稚魚を、川の水になじむよう、ネコギギを入れた水槽を川に約2時間入れる「川慣し」をした後、暗闇の川に1匹ずつ丁寧に放流した。

同校自然科学部2年生の奥田泰成部長(17)は「学校で育てたネコギギを川に放流するのはさみしいが、元気に育ってほしい」と話していた。