「第五福竜丸」の歴史を語る 改造作業を担った造船所の3代目が講演 伊勢

【生徒らを前に第五福竜丸について語る強力さん=伊勢市の厚生中学校で】

【伊勢】1954年に米国の水爆実験で被ばくしたマグロ漁船「第五福竜丸」の改造作業を担った三重県伊勢市大湊町の強力造船所(現ゴーリキ)の三代目強力修さん(71)の講演会が4日、母校の市立厚生中学校で開かれた。

強力さんは、改造を請け負った同社創業者の善次さんの孫で、被ばくした船が造船所にえい航されてきた当時は6歳だった。祖父や父、元工員らに聞いた話を後世に伝えようと、学校などで講演活動を続けている。

この日は人権学習の一環で、3年生147人が参加。強力さんは、第五福竜丸が被ばくした経緯や水爆実験の様子を資料映像などを見せながら説明した。船を水産大学の実習船に改造する際、被ばくを不安がる周辺住民から作業中止を求めるビラが貼られたり、銭湯で従業員がほかの客から「放射能がうつる」と差別的な言葉を受け、利用を断られたことなどを語った。創業者、善次さんを主人公にした紙芝居も披露された。

強力さんは「核兵器の根絶や世界平和、人間の尊厳について考えるきっかけにしてほしい」「ロシア軍のウクライナ侵攻が続く中、平和や人権について自分に何ができるかを考え、友人や家族と話し合う機会を持ってほしい」と呼びかけた。