2022年7月5日(火)

▼本紙『まる見えリポート』が有権者に参院選の「私の争点」を聞いている。一人は経済をあげ、一人はジェンダー、あと一人がコロナ対策としての景気といったところか。新聞という性格上、異なる主張を選んだということもあるだろう

▼争点が見えにくいことが企画の狙いか。いずれも傾聴に値するが、では候補者自身はどう見ているか。これも数日前の『政策アンケート』で聞いたが、与党候補が難局の数々を列挙し、政治を委ねられるのは誰かと問い、野党同が、政治の歯車のきしみ、食い違いをあげて、このままでいいのか迫る構図は、これまでの国政選挙と変わらない

▼参政党候補が「コロナ対策の是非」、NHK党同が国防。憲法改正を主張しているようでもある。スペースの関係もあるだろうが、腹にすとんと落ちるのは有権者の説く争点の方ではないか。円安と資材高騰の中で、円安なら逆に輸出、販路拡大などの政治対応を求めるなど、切実な思いがある

▼女性の政治参画の重要性を訴えるのも、あまりに当事者意識から離れている政治への不満が源泉。コロナやウクライナ侵攻より「政治スキャンダル追及を」というのも、国民の生活不安へのきめ細かな対応を願っていると言える。有権者と候補者の争点は共通する面が多いとしても、国民の心に響くのはどちらか

▼公示前、立憲民主党県連の中川正春代表は「盛り上がりは低調」と語った。国民のある種無力感があるといわれ、原因が政治家、特に旧民主党にあるのはいうまでもない。どう引きつけるか。残り1週間を切った。死にものぐるいの工夫も。