独自産業、三重から発信を 愛知淑徳大・真田教授、津で講演

【講演する真田氏=津市大門の津センターパレスで】

【津】伊勢新聞政経懇話会6月例会は30日、三重県津市大門の津センターパレスで開き、愛知淑徳大ビジネス学部教授の真田幸光氏が「混沌(こんとん)の世界経済を伊勢から考える」と題して講演した。ウクライナ情勢やロシア、中国、世界情勢について説明し、「日本は国際協力しつつも、独自の物やサービスを提供できるよう国づくりをしていくべき。こうした取り組みを三重から発信できれば」と語った。

真田氏は「今の世界情勢は混沌として良くなるか悪くなるか見通せない」として、「今の世界の秩序は英米で動いている」「米国の動きに歯止めをかけようとしているのが中国。人民元のデジタル化を推し進めながら、友好国に中国語と人民元を使うことを要求している」と話した。

ウクライナ情勢については「ロシアはウクライナに侵攻しないと思っていた」「昨年12月は春先以降、世界的なインフレは収まり、石油価格も落ち着いて、夏以降は経済が好転するだろうという見方をしていた」と振り返った。その上で「収まる可能性があると見ている。ロシアは戦争を続けるお金がない。国内外でプーチン大統領の評判が下がっている。そろそろあげた拳を下ろすのではないか。米国もロシアと水面下で妥協案を探り始めている」「参院選終了後にウクライナ情勢が落ち着く兆候が見られない場合、利上げをする可能性がある」と見通した。

今後の世界情勢について「情報を制するものが世界を制する」「宇宙開発や5G開発など情報覇権争いが進む中で、現状でも中国が優位に立っている」と指摘し、「現実的には米国と協力していく必要があるが、日本でも世界が必要とする独自の産業をつくって、生き延びれるような技術開発をしていけばいいのではないか。そうした状況が抑止力になる。工業力の高い三重から発信していただけたら」と述べた。

真田氏は慶応義塾大卒業後、東京銀行(現東京三菱銀行)に入行。ソウル支店、名古屋支店などを経て愛知淑徳大ビジネス学部教授に就任。