受刑者側が再審請求 鈴鹿の経営者殺害事件、津地裁に 三重

【記者会見に臨む加藤受刑者の父元博さん(左から2人目)や母由紀さんら=名古屋市で】

三重県鈴鹿市で平成24年11月、ネットショップ経営者辻元彦さん=当時(38)=が自宅離れで殺害された事件で、殺人罪で懲役17年が確定し、服役中の加藤映次受刑者(43)の弁護団が30日、津地裁に再審請求した。

確定判決によると、加藤受刑者は24年11月13日、同市の辻さん方で、辻さんの頭部をモンキーレンチで十数回殴打し、外傷性脳障害で死亡させた。

弁護団の再審請求書によると、遺体発見前の午後4時37分に、遺体の近くにあった辻さんのスマートフォンが操作され、無料通話アプリ「ライン」のスタンプがダウンロードされた形跡があった。加藤受刑者は午後5時ごろ、名古屋市にいたアリバイがあるという。

ライン会社からは「端末を直接操作する方法でなされたもの」と回答があったといい、弁護団は、何者かが現場でスマホを操作した可能性があるとみて、新証拠として提出した。

また、鑑定医による鑑定の結果、凶器として認定されたモンキーレンチでたたくとできるとされる陥没骨折が辻さんの頭部になく、凶器が一致しないことも主張した。事件で使われた凶器は見つかっていない。

名古屋市で記者会見した加藤受刑者の母・由紀さん(69)は「ここまでやっとこれた。再審請求は簡単なものではないことは分かっている。最後まで諦めることなく頑張りたい」と話した。

加藤受刑者は逮捕時から一貫して無罪を主張していた。津地裁は27年、懲役17年の判決を言い渡し、最高裁で確定した。

津地検の上坂和央次席は「再審請求書を検討の上、適切に対応する」などとコメントした。