学生ら鳥羽の旅館で調理補助 人手不足の地方つなぐ「おてつたび」 三重

【日本料理の調理補助を行う倉田さん=鳥羽市相差町の「浜の雅亭一井」で】

【鳥羽】地域に興味がある若者らと人手不足で困っている地方をつなぐwebプラットフォームの「おてつたび」。旅をしながら地方の困りごとを手伝うことで報酬が得られるほか、地域の人と交流することもできるという。新しい旅の形として注目が集まる中、事業再生を目指す三重県鳥羽市相差町の旅館「浜の雅亭一井」でも、おてつたびを活用する若者らが日本料理の調理補助などを行い、地域の魅力を体感している。

全客室が絶景オーションビューの同館は平成9年に開業。旅行スタイルの変化やコロナ禍の影響を受けて経営難となったため、官民一体型の「みえ中小企業活性化ファンド」の運営を手がける「三重リバイタル」(津市)と、ホテル旅館運営を手がける「グッドハイブ」(伊勢市)が設立した「一井」が事業や従業員を引き継ぎ、旅館再生を目指して営業を続けている。

おてつたびを運営する「株式会社おてつたび」の広報担当者によると、受け入れ先として県内では22事業者が登録。同旅館もそのうちの一つで、これまで16人がおてつたびを終え、現在は5人が参加しているという。

京都府から訪れた同志社大学4年の倉田健太郎さん(22)は、日本料理の魅力や宿を通した地域創生、同旅館の事業再生を現場で見て学びたいと応募。7月4日まで滞在する予定で、三浦博昭料理長(51)の下、盛り付けの補助や皿洗い、掃除などに取り組んでいる。

三浦料理長は「積極的で何かをつかんでいこうという気持ちが伝わってくる」、岡本匠代表(46)も「おてつたびというシステムを使って人手不足を解消するだけでなく、この地域に興味を持ち、自分たちがやろうとしていることに共感してくれる人が出てくればうれしい」と期待する。

仕事だけでなく地域の魅力も知ってもらおうと、休日には観光スポットへの移動をサポートするほか、学びの場として事業再生セミナーを開くという。

倉田さんは「社長や従業員の方からいろんな話を聞き、将来の自分のありたい姿につなげたい」と意気込みを語った。