「鵜方紅茶」産地復活目指す JA伊勢、志摩の生産者ら手摘み 三重

【紅茶用品種「はつもみじ」の茶葉を摘み取る谷川原さん(右)ら=志摩市阿児町鵜方で】

【志摩】明治から昭和にかけ、三重県志摩市阿児町鵜方で盛んに生産されていた「鵜方紅茶」の復活に取り組むJA伊勢は23日、同地区で紅茶用品種「はつもみじ」などを栽培する谷川原久仁夫さん(73)の茶畑で二番茶の新芽を手摘みした。

鵜方紅茶は、甘みと渋みのバランスや香りの良さが特徴。大正9年の第4回全国製茶品評会紅茶部門で最優秀賞を受賞するなど高い評価を受けていたが、生産者の高齢化や輸入紅茶の普及で生産量が激減。製造工場も閉鎖され、鵜方紅茶の販売もなくなったという。

平成29年、当時のJA鳥羽志摩(現JA伊勢)が産地復活や地域活性化を目指し、農家2軒と連携して試験製造を開始した。現存の品種を挿し木して増やし、新たな品種の苗を定植するなど復活への取り組みを進めていて、現在は生産者4軒が計15アールで栽培。令和2年には同市のふるさと納税返礼品に登録されたほか、昨年はティーバッグ商品も販売した。

この日は、2アールの茶畑で谷川原さんやJA職員ら約20人が「はつもみじ」などの新芽を丁寧に摘み取った。今シーズンは茶葉約100キロの収穫を見込んでいて、地元の加工場で紅茶を製造し、JAの直売所「HATAKE」などで販売する予定。

JA伊勢鳥羽志摩経済センターの竹内大登さん(30)は「生産技術や品質も安定してきたので、もっと多くの人に手にとってもらい、鵜方紅茶を楽しんでもらえれば」、谷川原さんは「体力が続く限り続けていきたい」と話した。