キュウリ、ミル、マツナを船に乗せ 伊勢の二見興玉神社、大津波の犠牲者を供養 三重

【供え物のキュウリなどを載せた木船を運ぶ舞女ら=伊勢市二見町で】

【伊勢】三重県伊勢市二見町江の二見興玉神社境内にある龍宮社で13日、江戸時代に起きた大津波の犠牲者を供養し、地域の安全を祈願する神事「郷中施(ごじゅうせ)」があった。

1792(寛政4)年、同地区は大津波に見舞われ大きな被害を受けたが、村人たちは助け合い、村中(郷中)で施し合って復興したと伝えられる。郷中施は、その言い伝えに由来する神事で、先人の教訓を後世につなぐため、毎年、津波のあった旧暦の5月15日に営まれる。

この日は、地元の氏子ら約30人が参列。祭典に続き、神職らが供え物のキュウリ、海藻のミル、植物のマツナなどを木船に載せて神社前の浜辺に運び、海へ流した。供え物には「津波が急にきたら見るな、待つな」という先人の教えが込められている。

金子清郎宮司は「海辺のこの地区は、津波が心配される。日ごろから地域の一体感や助け合いの心を大切にし、災害に備え気を引き締めたい」と話していた。