埋め立てに「許可不要」 伊賀の工事で三重県、土砂条例を誤解釈

【記者会見で事案を発表し、謝罪する職員ら=県庁で】

三重県は24日、伊賀市内で埋め立て工事を実施している事業者に対し、本来は必要な県の許可を誤って不要と伝えるミスがあったと発表した。令和2年4月に施行した土砂条例の解釈を誤ったことが原因で、外部からの指摘をきっかけに発覚。県は事業者に謝罪し、許可を申請するよう依頼した。

県によると、この工事は過去に土砂が採取されていた農地を復元させることを目的に約16ヘクタールで実施している。本来は土砂条例に基づき、令和2年12月22日までに許可を申請する必要があった。

県伊賀農林事務所は同年6月、この事業者から土砂条例に基づく許可の必要性に関する相談を受けて環境生活部と協議したが、同年9月、この事業者に「許可を得る必要はない」と回答していた。

一方、この工事を巡って今年3月、外部から「許可を得ずに埋め立てをしている」との指摘が県に寄せられた。環境生活部は法令解釈を担当する総務部法務文書課に相談して改めて協議した結果、許可が必要との結論に至った。

土砂条例は公共工事などを除き、埋め立てを許可制としているが、県は市や農林事務所が工事の状況を定期的に確認していることから「公共工事と同等」とみなし、許可を得る必要がないと判断していた。

また、県は事業者から相談を受けた当初の協議で法務文書課に相談していなかった。事業者が県に許可を申請するには、周辺住民への周知や土砂の搬入などに関する計画の提出が必要という。

環境生活部の松本剛土砂対策監は24日の記者会見で「条例の運用を誤ったことは、信用失墜に当たると認識している」と説明。「事業者にも迷惑をかけ、申し訳ない気持ちでいっぱい」と陳謝した。

許可を取得していないことによる安全性や環境への影響には「問題ない」と説明。事業者が独自に実施した土壌や水質の検査で異常がないことや、砂防条例に基づく許可は得ていたことを理由に挙げた。