元鈴鹿大学長補佐のクマーラ氏 スリランカで学長就任 日本向けIT人材育成 三重

【アーナンダ・クマーラ氏】

スリランカ出身で元鈴鹿大学(旧鈴鹿国際大学・三重県)学長補佐=名城大学名誉教授=のアーナンダ・クマーラ氏(67)が、同国の首都近郊マハラガマ市にある南アジア初の日系の高等教育機関(大学に認可見込み)に、新学長として先月、着任したことが分かった。情報系の教育を行う同機関で、日本のIT系企業に役立つ人材を教育し、卒業後の同企業への就職を目指す。日本のIT人材が不足する中、クマーラ学長は「日本社会の活性化につながる人材を送り込めるのではないかと考えている」と抱負を語った。

同機関は、日本とスリランカのIT企業の合弁で設立された「ランカ・ニッポン・ビズテック・インスティテュート(LNBTI)」。

クマーラ学長によると、LNBTIには情報系の3学科があり、①スリランカで3年学び、日本の提携大学に編入できるコース(ソフトウエア・エンジニアリング)②スリランカで4年学ぶことで英グリニッジ大の学位が取得でき、その後日本で就職するためのコース(IT)③四年間でLNBTI独自の学位を取得できるコース(認可申請中、認可見込み)―を用意している。

同学長は本紙取材に「ITだけなら世界中どこでも学べるが、それだけでは日本で働けない。日本に来ている外国人の中では、さまざまな理由で日本社会に溶け込めず、摩擦を生じることもある」と指摘。LNBTIではIT知識だけでなく日本語能力や日本社会での勤務・生活のノウハウも習得できるプログラムを提供し、ITエンジニアを必要とする日本企業に就職できるよう学生を訓練。「日本社会が歓迎する人材になるのではないか」と話している。

同学長は、鈴鹿大教授、副学長や東京工業大特任教授、名城大教授などを歴任。グローバル人材育成や国際開発などを専門に、長年日本の学生の指導に当たってきた。グローバル人材育成教育学会会長も務める。鈴鹿大では約20年教え、県国際交流財団理事も約20年務めた。三重県民に対し「スリランカにお越しになったら是非お立ち寄りください」とメッセージを寄せた。

日本の大学とLNBTIの学生同士の交流や、日本からLNBTIへの留学・短期研修の受け入れもする予定。