車いす補助具で坂道走行 災害時避難想定、南伊勢町と鳥羽で実地調査 三重

【1次避難所に向かう坂道でJINRIKIを装着した車いすを体験する参加者=南伊勢町の五ケ所浦で】

【度会郡】明治国際医療大学(京都府南丹市)で救急救命学を研究する諫山憲司教授(52)の研究チームらが20日から21日にかけて、三重県の南伊勢町や鳥羽市内でけん引式の車いす補助装置「JINRIKI」を使った実地調査に臨んだ。

JINRIKIは、長野県箕輪町に本社と工場を置く同名会社が開発した着脱式の車いす用補助器具。車いすの前部に2本の専用ポールを装着し、テコの力を使って前輪を持ち上げることで介助者が強い力を使わなくても悪路や段差を走行できるという。

諫山教授のチームは、大阪ガスグループ福祉財団の助成を受けた研究活動の一環として、ユニバーサル社会実現の観点から同器具の有用性について調査。NPO伊勢志摩バリアフリーツアーセンターの協力で、南伊勢町と鳥羽市の施設4カ所で災害時の避難を想定して階段や坂道などでの利用状況を調査した。

南伊勢町五ケ所浦の町役場南勢庁舎では、開発者の中村正善社長(64)が同席し、同町防災安全課の職員などの協力を得ながら津波の一次避難場所に向かう坂道などで使用を確認した。

自身も車いすを利用する立場として参加した、障害者アドバイザーの中村真幸さん(35)は「段差が多い地域なのであれば便利と思う。利用が広がってくれたらうれしい」と話していた。

諫山教授は「災害や医療福祉の現場だけでなく、利用者にとって日常のアクティビティのハードルを下げることに寄与できたら」と話していた。