差別解消条例を可決 三重県議会、全会一致で

三重県議会は19日の本会議で、差別に対する県の責務を定めた「差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例案」を全会一致で可決した。県の対応などに関する一部の規定を除き、同日付で施行した。

条例は、差別の被害者側から相談を受けた県が関係機関と連携して調査や助言に当たると明記。それでも解決しなければ、被害者側の申し立てを経て知事が助言や説示、あっせんなどをすると定めた。

県議会事務局によると、差別全般への介入を県の責務として定めた条例は全国の都道府県で初めて。加害者側が助言などに従わなかった場合の対応として知事による「勧告」も盛り込んだが、罰則はない。

また、条例は差別について「人種などの属性を理由とする不当な区別、排除または制限」と定義し、差別や人権問題の解消を基本理念に掲げた。差別の定義を明記した条例は全国の都道府県でも珍しい。

差別解消を目指す条例検討調査特別委の小島智子委員長が条例案を提出した。県議会は新型コロナウイルスの感染者に対する中傷が広がったことなどを受けて特別委を設け、4月に条例案をまとめていた。