災害備えモバイル建築、南伊勢町で完成お披露目

【会議室やキッチンなどを備えた2階建てのオフィス棟=南伊勢町船越で(同町提供)】

【度会郡】ユニット単位で基礎から分離し、トラックなどで輸送して移築できる「モバイル建築」の施設がこのほど、南伊勢町船越の町立南伊勢病院駐車場横に完成し、お披露目された。平常時は地方創生のための多目的施設として、災害時には災害応援における拠点として活用していく。茨城県境町にある2施設に次いで3例目。

モバイル建築は一般住宅の居住性能を備えながら分割輸送ができるため、災害時に被災地に運び、活用することができるという。今回の施設は、同町と住宅メーカー「一条工務店」、日本モバイル建築協会が締結した包括連携協定の一環として、一条工務店が建設し、企業版ふるさと納税を活用して町に寄付した。

計14ユニット(1ユニットあたり高さと幅2・4メートル、長さ12メートル)を使い、木造2階のオフィス棟と木造平屋の宿泊棟2棟を建設。オフィス棟には会議室やキッチン、浴室などを備え、宿泊棟2棟には個室8室と簡易キッチンや洗濯室、シャワールームなどがある共用スペースを設けた。

南海トラフ地震が発生した場合、同町では最大で21・8メートルの津波が想定されているため、町は同病院の敷地内に災害対策本部の機能を移転するなど防災対策を進め、施設も津波被害の影響を受けない海抜約90メートルの高台に整備した。普段から訓練や研修などに活用し、災害応援拠点としての機能向上を目指すほか、集客交流や地域活性化に向けた施設利用についても検討していくという。

現地であった完成披露式には関係者ら24人が出席。上村久仁町長は「町民の命と生活を守るとともに、元気で明るい南伊勢町のための拠点施設として活用していきたい」と話した。