アオリイカの繁殖促進 志摩の水産高、産卵床設置 三重

【ウバメガシの枝を使って作成したアオリイカの産卵床を沈める生徒ら=志摩市の県立水産高校で】

【志摩】三重県志摩市志摩町和具の県立水産高校で13日、アオリイカの産卵促進に向けた取り組みがあり、三重大大学院生物資源学研究科の松田浩一教授の指導の下、同高水産資源科アクアデザインコースの生徒8人が廃材などを使った産卵床の設置に初めて取り組んだ。

英虞湾など県内海域にも分布するアオリイカだが、磯焼けなどを原因とする藻場の減少に伴い、近年は漁獲量も減少。鳥羽磯部漁協や三重外湾漁協がまとめた資料によると、平成16年の年間漁獲量51トンをピークに、令和3年は11トンまで減少しているという。

こうした背景から、アオリイカの繁殖を促して個体数を増殖させようと、従来の産卵場所となる藻場に替わる産卵床を設置する実証実験を計画。英虞湾の座賀島近隣に分布するウバメガシの枝や、真珠養殖に使われる「マルカゴ」の廃材を素材とした産卵床の作成と設置に取り組んだ。

生徒らは、アオリイカなどの生態に詳しい松田教授による説明を受けた後、数本の枝に浮きとしてのペットボトルや重りのブロックを組み合わせた産卵床を作成。敷地内の増殖実習棟前の海面いかだから約2―3メートルの水深に沈めた。

今後は水中ドローンなどを使って定期的に産卵状況などを見守る方針。松田教授は「地元の水産資源の理解にもつながる取り組みとしたい」と話していた。

参加した3年の九渡春葉さん(18)は「このままだといなくなる危機感があった。うまくいってくれるとうれしい」と期待を示した。