三重県と中部経済連合会の幹部らが9日、津市羽所町のホテルグリーンパーク津で懇談し、新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ経済の再生に向けた取り組みやロシアのウクライナ侵攻への懸念などを共有した。
中経連は年に一度、中部5県や名古屋市の幹部らと懇談しているが、過去2年間は新型コロナの影響で見送っていた。三重との懇談は約3年ぶり。昨年9月に就任した一見勝之知事は初めて出席した。
中経連の水野明久会長は冒頭のあいさつで 感染者の増加について「ある程度は想定される」との認識を示した上で「今後はウィズコロナが大切。経済の回復に向けて全力で取り組む」と語った。
また、ロシアのウクライナ侵攻が中部圏の経済に与える影響への懸念を表明。「燃料や食料品などの価格上昇に加え、ロシア進出企業の活動停止などもあり、経済への下押しを懸念している」と述べた。
一見知事もあいさつで、新型コロナの対応について「ポイントは感染者数ではなく、病床使用率」とした上で「1県だけで対応できることは少ない。東海3県が一緒になって対応していく」と述べた。
ロシアのウクライナ侵攻などを踏まえて「世界が急激に不安定化している」と指摘。「東アジアにとっては対岸の火事とは言えない状況。自治体ができることをしっかり考えなければならない」と語った。
このほか、中経連は昨年6月に策定した5年間の中期活動指針を紹介。地域の潜在力を「引き出し、伸ばす」と定め、デジタル化の推進やカーボンニュートラルの実現に向けて取り組むと説明した。
県は転出超過の現状を報告し、子育て支援や移住促進といった人口減少対策に取り組むと報告。脱炭素社会を見据え、環境と経済の両立を目指した産業のあり方に関する検討を進めていることも紹介した。