2022年5月3日(火)

▼東京都豊島区区議らが区の幹部を通じて職員に政治資金パーティーへの参加を求め、政治資金規正法違反罪で罰金の略式命令を受けた。区議レベルでパーティーとはさすが東京だが、対象はオンラインの総決起大会という。費用は何に使われたのだろうか

▼区議は参加費5千円のパーティー案内状を区の部長らに配り、職員の参加の可否を確認したという。部長らは職場の懇親会用積み立て金なるものから支払った。この種パーティーは常態化していたらしく、警察は「職員らに参加圧力が生じた」と見て、職員らは区議との良好な関係、議会対策の円滑化を理由にしている

▼三重県の場合は平成18年に口利き要綱を作成し、行政への不当な介入は記録として残すことにしている。天下りした県OBらの名刺配りは常態化し、談合などの疑惑も相次いでいた。要綱作成に最も反対したのは議会で、県民からの要望が伝えられなくなるという正当な議員活動が表向き理由。「何かあったらぜひ私に言ってください」と、県幹部が有力議員に語る場面に何度か同席したから、議員の要綱への戸惑いはよく分かる

▼要綱成立以来、県議からの口利きはゼロといわれるのはめでたいが、豊島区では議員と区役所の間に「あうんの呼吸」があったという。いわゆる忖度で、これらを要綱で一掃するのが難しいのは森友・加計、桜などが政官で半ばおおっぴらに行われ、関わった官僚らが出世するのでもよく分かる

▼上司から部下への指示を含め、口利き要綱の目指したものは改正、議論の不断の動きがなくて、まっとうできるものではない。