松浦武四郎記念館が単独館に、リニューアル記念式典 松阪

【松浦武四郎記念館リニューアルオープンのテープカット=松阪市小野江町で】

【松阪】三重県松阪市小野江町の松浦武四郎記念館(山本命館長)は24日、リニューアル記念式典を開いた。併設の公民館が移転し、単独館に整備した。

同館は北海道の名付け親として知られる探検家、松浦武四郎(1818―88年)を顕彰する全国唯一の博物館。平成6年に生家近くに開館した。併設の小野江公民館が昨年4月に隣地へ移り、同5月から休館して単独施設にする改修工事をしていた。事業費は国のアイヌ政策推進交付金1600万円を含む約2億円。

竹上真人市長は「日本人のヒューマニズムは武四郎でよく分かるという言葉が司馬遼太郎さんの『街道をゆく』にある。たくさんの方に親しまれる館にしたい」とあいさつ。

田村憲久元厚労相は「共生の理念がより広くつながれば」と期待。一見勝之知事は「三重県、松阪市と北海道のつながりができた。郷土に偉人を持つと若い人の心に郷土愛が生まれる」と祝った。

鈴木直道北海道知事はメッセージを寄せ、「武四郎は北海道の名付け親として多くの道民に親しまれている。アイヌの窮状を訴え続けた。道内69カ所に記念碑があり、踏査の足跡を北海道遺産に選定している」と代読された。

北海道アイヌ協会の大川勝理事長は「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律(アイヌ新法)」に触れ、「制定に向け理解を求める上で、武四郎の調査記録が大いに役立った。新法の交付金制度を活用したリニューアルで感慨深い」と喜んだ。

出席者はテープカットし、全面改装した館内を見学。約9800のアイヌ語地名を書き入れた蝦夷地図のテーブルや、全国の寺社から不要材を取り寄せ晩年建てた書斎「一畳敷」の復元などを見て回った。