生命を捉えなおす ジャパンマテリアル本社で生物学者福岡氏が講演 三重・菰野町

【講演した福岡氏(左)と田中社長=菰野町永井のジャパンマテリアル本社で】

【三重郡】ジャパンマテリアル本社(三重県菰野町永井、田中久男社長)で22日、生物学者の福岡伸一氏が「生命を捉えなおす~動的平衡の視点から」と題して講演し、会場とオンラインで国内外の同社従業員と家族363人が聴講した。同社は半導体製造工場向けガス供給装置の製造販売などを行っており、18日には、2025年日本国際博覧会のテーマ事業のパビリオンの中で、同氏がプロデュースするテーマ「いのちを知る」に協賛すると発表していた。

福岡氏は、提唱する新しい生命論の源流となったルドルフ・シェーンハイマー博士の「生命は機械ではない、生命は流れだ」という言葉を紹介した上で、「機械論では人間と食べ物は自動車とガソリンの関係と同じとなるが、生きているとは絶え間なく入れ替わっていることで、生命の流れを支えているのはきれいな水と純度の高い気体」と強調。

「生命とは何か」という問いへの答えは、変わらないために変わり続ける「動的平衡」であるとし、ポストコロナの生命哲学について説明した。

さらに「われわれは環境から何かをもらいつつ何かを戻している。20世紀は利己的遺伝子論中心で来たが、流れこそが生命であり、死・病・性をタブー視せず、利他的共生論など動的平衡の生命観に戻さないといけない」と語った。

以前は「産業のコメ」、現在は「産業のいのち」と言われる半導体は、生活になくてはならない存在で、半導体工場をサポートする同社は「未来を拓く」という理念のもと、「いのち」の中心である人材を育て、環境を守ることで、豊かで公正な社会の実現を目指している。

田中社長は「万博では当社のPRではなく、お考えに共鳴した先生とご一緒し、技術的なことでお手伝いできることがあればと考えている」と話していた。