単独館にリニューアル 松阪の松浦武四郎記念館24日開館 三重

【アイヌ語地名入り蝦夷地図の原寸大復元=松阪市小野江町の松浦武四郎記念館で】

【松阪】24日のリニューアルオープンを前に松浦武四郎記念館(三重県松阪市小野江町)は21日、報道機関向けの内覧会を開いた。併設の公民館が移転し、単独館に整備した。

松浦武四郎(1818―88年)は幕末、ロシアの南下に危機感を抱き、蝦夷(えぞ)地を探査。明治政府の開拓判官として北海道と命名した。

同館は平成6年、武四郎の生家近くに小野江公民館を併設して開館した。延べ床面積850平方メートル。鉄筋コンクリート造り平屋建て。

入館者の増加と公民館の利便性向上のため、公民館を昨年4月に隣地へ移し、同5月から記念館を休館して単独施設にする改修工事をしていた。事業費は約2億円。

公民館の和室を書庫と研究室に改造。ホールを広げ、武四郎の著作などを並べた「調べて学べるコーナー」を設けた。

約9800のアイヌ語地名を書き入れた縦2.4メートル、横3.6メートルの蝦夷地図のうち海の部分を除いて再現。これまでは床に貼っていたが、新しく北海道の形のテーブルにして、見やすくした。

晩年建てた一畳分の書斎「一畳敷」も本物そっくりに復元。一畳敷は武四郎が巡った全国の寺社から不要材を取り寄せて組み立て、旅をしのんでいた。東京都三鷹市の国際基督教大学に現存する。

【再現した書斎「一畳敷」を説明する山本館長=松阪市小野江町の松浦武四郎記念館で】

テーマ展示室1・2と企画展室を全面改装した。テーマ展示室は、壁面に投影するアニメショーン「武四郎の道は未来に続く」と、71歳の生涯と業績を振り返る年表で導入。歩く▽交わる▽描く▽伝える▽集める―のテーマの他、「アイヌの人々との交流」「蝦夷地調査の足跡」を解説している。ミニ百科事典「蝦夷漫画」を拡大して紹介している。

山本命館長は「武四郎はロシアから領土を守らねばならないと思って調査した。アイヌの人々が日本の領土で良かったと思ってもらえる政治が大事と訴えた」と資料を説明。武四郎は軽装で出かけ、「寒いので服の内側は熊の毛皮。それが残っている。犬を抱いて寝た」と話した。

24日午前11時に再開する。入場料は一般360円、6―18歳230円。

山本館長は「開館以来、新たな資料が加わり、研究成果が積み重ねられてきた。武四郎の魅力を余すところなく伝えたい」と来館を呼びかけた。