詩人竹内浩三の漫画同人誌を複製 一般公開、伊勢市教委に寄贈

【竹内が中学時代に描いた漫画の同人誌「竹内浩三作品集」の複製版】

【伊勢】太平洋戦争で戦死した三重県伊勢市出身の詩人、竹内浩三(1921―45年)が学生時代に制作した漫画の同人誌「竹内浩三作品集」の複製版が完成し、18日、伊勢市教育委員会に贈呈された。市立伊勢図書館と小俣図書館で、23日から閲覧できる。

代表作「骨のうたう」などの詩で知られる竹内だが、少年のころから漫画を描くことが好きで、旧宇治山田中学時代には、漫画の個人雑誌や同級生らと同人誌も制作していた。

複製された竹内浩三作品集は、竹内自身がその同人誌など7冊を1冊にまとめたもの。風刺画や4コマ漫画、短編小説など肉筆が収められていて、竹内の創作の原点ともされる。原本は松阪市の本居宣長記念館に収蔵されているが、劣化が激しく一般の閲覧が難しい。そのため、竹内を顕彰する市民団体らでつくる実行委員会が昨年10月から、閲覧用に複製版の制作を進め、先月完成した。

実行委の岡田美代子委員長(84)らが、市小俣総合支所を訪問し、岡俊晴教育長に完成した複製版4冊を贈った。岡教育長は「市民の方が浩三の思いに触れ、漫画を入り口に、詩作品にも興味を持ってもらえると思う」と感謝した。

岡田委員長は「複製版によって一般に公開されるのは最大の喜び。漫画という浩三のあまり知られていない一面に触れてほしい」と話した。

複製版は、B5判変形448ページ。可能な限り原本の風合いに近づけた。京都国際マンガミュージアム(京都市)と本居宣長記念館にも寄贈する。