差別事案への介入「県の責務」 三重県議会特別委、差別解消条例案に明記

三重県議会の差別解消を目指す条例検討調査特別委員会(小島智子委員長、11人)は4日、差別解消を目的とした条例案をまとめた。被害者側から申し立てを受けた県は加害者側への勧告などに当たると明記。差別事案への介入を県の責務として定めた条例は全国の都道府県で初となる。月内の全員協議会に報告し、5月にも成立の見通し。

県議会によると、名称は「差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例案」。執行部提出で平成九年10月に施行された「人権が尊重される三重をつくる条例」の全部改正案としてまとめた。

条例案は差別の被害者側から相談を受けた県が関係機関と連携して調査や助言に当たると明記。それでも解決しなければ、被害者側の申し立てを経て知事が助言や説示、あっせんなどをすると定めた。

加害者側が助言などに従わなかった場合の対応として知事による「勧告」も盛り込んだが、罰則は設けていない。必要に応じて第三者でつくる「差別解消調整委員会」に諮問することも定めた。

差別について「人種などの属性を理由とする不当な区別、排除または制限」などと定義し、差別や人権問題の解消を基本理念に掲げた。差別の定義を明記した条例は全国の都道府県でも珍しいという。

県議会は令和2年5月、新型コロナの感染者に対する中傷が広がったことなどを受けて特別委を設置。関係者の参考人招致や中間案のパブリックコメント(意見公募)などを経て条例案をまとめた。