自殺との因果関係認定、いじめ調査委、三重県に報告書

【庄山委員長(左)から調査報告書を受け取る一見知事=県庁で】

平成30年に県立高校1年の男子生徒=当時(16)=が自殺した問題で、三重県いじめ調査委員会(庄山哲也委員長、6人)は17日、報告書を県に提出した。男子生徒は7件のいじめを受け、うち6件は自殺との因果関係があったと認定した。一方、庄山委員長は「遺族からは報告書の表現に不満な印象を受けた」と述べた。

問題を巡っては、県教委の審議会が令和2年3月に「いじめが自殺の原因」とする報告書をまとめたが、加害者とされる元生徒への聞き取りがなかったことから遺族が不服を訴え、県が調査委を設置していた。

調査委の報告書は、上級生からの暴力や同級生によるLINE(ライン)の書き込みなどの7件をいじめと認定。うち6件は自殺との因果関係があると認め、一部の行為については加害者も特定した。

調査委は審議会ができなかった加害者とされる元生徒らへの聞き取りも実施した。聞き取りに応じた元生徒の人数や聞き取りでの発言は「個人が絞り込まれる可能性がある」などとして明らかにしていない。

一方、県教委の審議会も6件のいじめについて自殺の因果関係を認めていた。この6件と調査委が認めた六件に違いがあるかについて、調査委は「審議会の報告書が非公表のため、答えられない」としている。

調査委は今回の問題を踏まえた8つの提言と意見を報告書に記載した。子どもの悩みは「必ずしも言語化されない」とし、さまざまな変化に注意を払うよう要請。組織的な対応の強化なども求めた。

この日、庄山委員長と小池敦副委員長が県庁で一見知事に報告書を手渡した。庄山委員長は「報告書の提言を十分に踏まえ、いじめによる自死がないよう再発防止に取り組んでほしい」と述べた。

庄山委員長は提出後の記者会見で「綿密な調査で精緻な報告書ができた」とする一方、11日に面談した遺族からは「再調査を求められることはなかったが、報告書の表現に不満な印象を受けた」と語った。