伊勢パールセンターが閉店 半世紀の歴史に幕 三重

【半世紀に渡り真珠の魅力を発信してきた小西さん=伊勢市二見町松下で】

【伊勢】三重県伊勢市で真珠の加工販売を手掛けてきた「伊勢パールセンター」が先月末で営業を終了し、半世紀余りの歴史に幕を下ろした。経営を続けてきた小西蔀さん(85)が商いの傍ら創作し、店内の一角で紹介してきた変形真珠(バロック真珠)の工芸作品は、来年以降、別の施設で展示される見込みだ。

昭和41年に、伊勢神宮外宮近くで真珠販売店を始め、同46年に二見町に移転。加工から販売まで手掛ける「伊勢パールセンター」をオープンした。昭和40、50年代の最盛期は、新婚旅行の夫婦や観光客でにぎわい、真珠製品の修理やリフォームをする「真珠の病院」も評判を呼んだ。

一方、当時は商品価値がないと見向きもされなかった変形真珠に魅力を見い出し、その個性的な形を生かしてユニークな工芸作品を創った。真珠を人や動物、野菜などに見立て、金や銀素材と組み合わせて仕上げた作品は話題となり、店内ギャラリーに並べ、真珠の魅力を発信してきた。

【変形真珠を使い人力車をひく車夫を表わした小西さんの作品「お伊勢参り」=伊勢市二見町松下で】

閉店後、店舗は小西さんが長年尽力してきたボランティア団体の活動拠点に。小西さんは「55年間、支えてくれた多くの人に感謝がいっぱい。でもさみしさはない。まだやりたいことがたくさんあるから」と前を向く。「ボランティア活動に力を入れたい。もちろん変形真珠の作品づくりも続けたい。作品集も制作中です」と笑った。