「三重テラス」存続意向 万博、リニア開業見据え 三重県議会常任委

三重県議会は15日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。雇用経済部は、県の首都圏営業拠点「三重テラス」(東京・日本橋)について、運営委託などの契約が期限を迎える来年度末以降も存続させる考えを示した。大阪・関西万博の開催やリニア中央新幹線の開業を見据えて「首都圏で三重の魅力を強力に発信する必要がある」と判断した。一方、運営経費の負担を懸念する県議会の意見を踏まえて「費用縮減の方策を検討する」としている。

来県者増加へ情報発信強化

<戦略企画雇用経済=野村保夫委員長(9人)>
県は令和5年度からの5年間を三重テラスの「第3ステージ」と位置付け、来県者の増加につなげるための機能や情報発信力の強化を図る方針。

【運営継続】
県は直近4年間で三重テラスが県内にもたらした経済効果が約21億4千万円に上り、この間に要した経費の約4倍に当たるとする民間シンクタンクの試算結果を報告した。

これに対し、三谷哲央委員(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡)は「信用できない。三重テラスが必要だと言わんばかりの数字」と指摘。運営の方法などを含め、広範囲での見直しを検討するよう求めた。

【計画改定】
雇用経済部は令和12年度までに一般家庭で84万5千世帯分に相当する新エネルギーの導入を目標とする「新エネルギービジョン」を、来年度末にも改定する考えを示した。

県によると、ビジョンは平成24年3月に策定。約72万9千世帯分に相当する新エネルギーの導入が昨年度までに進んだという。県は目標の引き上げなども視野にビジョンを改定する方針。

鳥獣保護計画、最終案示す

<環境生活農林水産=野口正委員長(8人)>
環境生活部は、野生鳥獣の適切な保護管理の方法などを定めた「第13次鳥獣保護管理事業計画」の最終案を示した。月内をめどに完成させる。

【鳥獣保護】
県によると、計画の対象期間は令和4年度からの5年間。1月から2月にかけて実施した中間案へのパブリックコメント(意見公募)を経て最終案を策定した。

県は市町の意見などを踏まえて中間案を修正。年間を通じて農作物などに被害を与えるタヌキ、イタチ、アナグマ、ニホンザル、アオサギの捕獲許可期間を、最大で6カ月にわたって延長した。

【藻場再生】
県は熊野灘の沿岸で藻場の衰退が進み、特に志摩半島沿岸では急速に衰退していると報告。食害への対策として、アイゴやブダイの捕獲を検討していることを明らかにした。

県によると、衛星画像や潜水調査などによって藻場の衰退を確認。かごを使った藻場の保護も検討する。コンクリートブロックによる藻場の造成や母藻を投入する漁業者への支援も続ける方針。

学費引き上げ再審査 県立看護大、再び「可決すべき」

<医療保健子ども福祉病院=田中智也委員長(9人)>
県立看護大が法律で定める県議会の議決を経ずに学費を引き上げた問題の発覚を受け、常任委は引き上げの議案を再審査。再び全会一致で「可決すべき」とした。

【聞き取り】
常任委は11日にも、この議案を全会一致で「可決すべき」と決したが、14日に問題が発覚したことを受けて改めて医療保健部の職員を招致し、原因などを聞き取った。

加太竜一部長は、引き上げ後の学費が適用されるのは来年度以降と誤解して議案を提出したと説明。「間違った認識をしていた。看護大と医療保健部の連携が不足していた。再発防止に努める」と謝罪した。

【学費返金】
医療保健部は問題への対応として、認定看護師教育課程の受験生や合格者から徴収した受験料や入学金のうち、引き上げ前との差額を返還すると説明した。

県によると、返金の総額は約140万円に上る見通し。県と看護大が近く返還する方向で調整を進めている。授業料は24日の議決を経て引き上げ後の金額で徴収する方針。