控訴しない可能性示唆 違法取り調べ判決で三重県警 県議会常任委

三重県議会は14日、総務地域連携デジタル社会推進、防災県土整備企業、教育警察の各常任委と予算決算常任委の各分科会を開いた。鳥羽署の巡査部長が取り調べで伊勢市の女性に「泥棒に黙秘権があるか」と発言した問題で、佐野朋毅県警本部長は県に70万円の支払いを命じた津地裁の判決に対して控訴しない可能性を示唆した。

県警「思ったような供述を引き出せず」

<教育警察=田中祐治委員長(7人)>
県警による取り調べの違法性を認めた津地裁の判決に対し、委員は「控訴すべきでない」と主張。佐野本部長は「委員の指摘と近い認識」と述べた。

【取り調べ】
稲森稔尚委員(草の根運動いが、2期、伊賀市)への答弁。佐野本部長は判決の対応について「現時点では明確に言えないが、結果的に委員の指摘と近いことになると思う」と述べた。

また、稲森委員は巡査部長が取り調べで「泥棒に黙秘権あるか」などと女性に発言した動機を尋ねた。県警は「思ったような供述を引き出せずにかっとなったという状況があった」と説明した。

【交番】
県警は、これまで交番がなかった朝日町内での建設を進めている「朝日交番」(仮称)が、6月にも完成する見通しとなっていると報告した。7月にも運用を始める方針。

来年度は鳥羽駅前交番と五つの駐在所で建て替えを進めると説明。全国で交番の襲撃事件が相次いだことを受け、駐在所の遮蔽(しゃへい)板をポリカーボネート製にするなどの対策を進めていることも報告した。

伊賀市選挙区の定数削減撤回請願「不採択とすべき」

<総務地域連携デジタル社会推進=森野真治委員長(8人)>
伊賀市選挙区の定数削減を撤回するよう求める請願を5対1で「不採択とすべき」とした。県議会は24日の本会議で採決する。

【議員定数】
中森博文委員(自民党、5期、名張市)は請願について「県議会で十分に議論して条例改正に至った経緯がある。中長期的な人口推移を見ても撤回するわけにはいかない」と述べた。

一方、山本里香委員(共産党、2期、四日市市)は「定数は一定の結論には至ったが、住民の願いを理解する。選挙まで一定の期間があるのに押し切って決めたことも事実」と述べ、請願に賛成の意を示した。

【工業団地】
分譲中の木曽岬新輪工業団地(木曽岬町)のうち約2・3ヘクタールを、阪和エコスチール(千葉県鎌ケ谷市)に約4億5800万円で売却する議案を全会一致で「可決すべき」とした。

県によると、売却するのは昨年5月から分譲している「第3期」の一部。同社への売却により、木曽岬新輪工業団地全体に占める分譲済みの土地の割合は56・8%から61・9%に引き上がる。

防災ヘリ、副操縦士を搭乗

 

<防災県土整備企業=山崎博委員長(8人)>
防災対策部は、これまで操縦士の搭乗者が機長だけだった防災ヘリコプターについて、来年度から副操縦士を同乗させることを明らかにした。

【防災ヘリ】
県によると、副操縦士の搭乗は他県で発生した墜落事故を受けて安全性を向上させることが目的。これにより、来年度の運航管理費は前年度比から1億3700万円ほど増加する。

前野和美委員(自民党、5期、津市)は副操縦士の搭乗が要救助者の定員に影響を与えないかを尋ねた。県当局は「防災ヘリの定員は14人。もともと定員いっぱいで運航していたわけではない」と説明した。

【浸水区域】
中嶋年規委員(自民党、5期、志摩市)は、県の防災ヘリポート(津市雲出鋼管町)周辺が南海トラフ地震で浸水する可能性があることについて、早急な対応を求めた。

野呂幸利防災対策部長は「常に対応を考えてはいるが、妙案がない状況」と説明。「危機的な状況だと考えている。ヘリコプターが使えない状況にならないよう、しっかり検討したい」と述べた。