三重県庁建て替え検討 築57年、県庁周辺の公共施設も

三重県議会2月定例月会議は9日、日沖正信(新政みえ、6期、いなべ市・員弁郡)、木津直樹(自民党、2期、伊賀市)、喜田健児(新政みえ、1期、松阪市)、小林貴虎(自民党、1期、津市)、舟橋裕幸(新政みえ、7期、津市)の5議員が一般質問した。一見勝之知事は、築57年が経過した県庁の将来的な建て替えに向けた検討作業に着手したことを明らかにした。同じく老朽化が進む県庁周辺の公共施設も含め、吉田山一帯の将来像を描きたい考え。建て替えの時期には言及しなかった。舟橋議員への答弁。

航空宇宙ビジョン見直しを
日沖 正信議員(新政みえ)
新型コロナウイルスなどの影響を考慮し、県の方向性を定めた「みえ航空宇宙産業振興ビジョン」の見直しを要請。県当局は「見直しが必至」としつつ、今後の動向を踏まえて対応を検討する考えを示した。

【航空産業】
日沖議員 航空宇宙産業は新型コロナの大きな影響を受けているほか、国産初となるジェット旅客機の開発も停滞しているが、今後の見通しは。社会状況が変化する中で、みえ航空宇宙産業振興ビジョンを見直す必要があると考える。

島上雇用経済部長 航空宇宙産業は中長期的な成長が見込まれ、県内企業も果敢に挑戦している。状況変化を踏まえるとビジョンの見直しは必至だが、今後の動向が分からなければ机上の空論。ある程度の予測が立つ段階になれば、見直しの必要性を検討する。

【道路整備】
日沖議員 東海環状自動車道は順調に整備が進めば令和八年度に全線が開通する見通し。さまざまな面で効果が見込まれるが、特に観光への活用に期待している。全線開通による効果と観光活性化への活用に向けた考え方は。

小見山観光局長 三重、岐阜両県が高速道路でつながれば利便性が向上し、三重が観光の目的地として選ばれることが期待される。全線開通を大きなチャンスと捉え、新型コロナの収束後を見据え、沿線の自治体と連携して広域観光に取り組みたい。

がん検診促進の取り組みは
木津 直樹議員(自民党)
新型コロナウイルスの影響でがん検診を控えれば早期発見が遅れると懸念し、受診率の引き上げに向けた取り組みを尋ねた。県当局は、がん検診が不要不急の外出に当たらないことを周知するなどして対応する考えを示した。

【災害対応】
木津議員 東日本大震災の被災地では、自衛隊が入ってくれて良かったとの声を聞く。県内でも紀伊半島大水害や豚熱の時に自衛隊に作業をしてもらった。災害発生時は、自衛隊や海上保安庁と速やかに連携する必要がある。

知事 災害対応には人命救助、避難支援、復旧対応という三つのフェーズがある。海上保安庁時代は災害時などに自治体からの要請がなくても部隊を出すことを心掛けた。大事なことは連絡を密にすること。訓練などを通じて日頃から連携していく。

【がん対策】
木津議員 県内では、がん検診の受診率が50%を超えている項目はないが、山形は全ての項目で50%を超えている。コロナ禍による受診控えが続けば、がんの早期発見が遅れてしまうことになる。受診率を向上させる取り組みは。

加太医療保健部長 受診率が特に低い市町には助言をしている。コロナ禍で検診の延期や中止を決めた市町もあった。がん検診は不要不急の外出に当たらないことを周知していく。本年度は「ナッジ理論」を活用して検診に誘導する事業を亀山市で進めている。

「オーガニック推進県」を提案
喜田健児議員(新政みえ)
人口減少対策として「オーガニック推進県」を目指すことを提案。給食に使う無農薬の食材を増やすことも求めた。一見知事は「良いアイデア」と応じ、オーガニック食材の生産拡大も含めて対応を検討する考えを示した。

【有機農業】
喜田議員 給食の無償化とオーガニック給食の導入によって、人口減少を食い止めることができると考える。地域の安全安心なものを食べて育てば、地元への愛を育める。オーガニック推進県を目指すべきと考えるが、知事の考えは。

知事 三重の未来を担う子どもたちに良いものを食べさせたい。オーガニック推進県は良いアイデアだと思う。オーガニックの食材は少ないことから過去の取り組みでは給食になじまなかったということも聞いているが、市町に任せることなく検討したい。

【雇用定着】
喜田議員 障害者の雇用を定着させている企業こそ優良。障害者と雇い主の間に立って障害者をサポートするジョブコーチが必要だが、県内の企業では派遣申請が極めて少ないと聞く。障害者雇用の定着に向けた取り組みは。

島上雇用経済部長 業務に慣れてもらうための職業訓練を実施し、訓練の後は定着の状況を聞き取っている。令和二年度に訓練を経て雇用された障害者30人のうち八割以上が一年後も定着している。新年度は障害者のテレワーク拠点の設置を支援する。

土砂を養浜や干潟の造成に
小林貴虎議員(自民党)
伊勢湾の再生に向け、河川の土砂撤去などで発生した土砂を養浜や干潟の造成に活用することを提案。県当局はコスト面などの課題を挙げつつ、土砂の撤去量を大幅に増やす中で養浜への活用を拡大させる考えを示した。

【伊勢湾再生】
小林議員 災害対策と経済成長のために行ったことが伊勢湾の環境を大きく変えてしまった。浜はやせ、栄養塩は海に流れ込まず、干潟や藻場は失われた。河川の掘削などで発生した土砂を、養浜や干潟の造成に活用できないか。

水野県土整備部長 鈴鹿川の土砂を吉崎海岸の干潟造成に活用する予定。磯津海岸の高潮対策に活用した実績もある。濁りの流出を防ぐための洗浄に手間やコストを要するなどの課題もあるが、河川の土砂撤去を大幅に増やす中で養浜への活用を拡大させる。

【心の健康】
小林議員 子どもの死亡事例を減らすため、早い段階での対策が必要。心身が崩れる要因は虐待やいじめに限らない。メンタルヘルスを的確に把握するため、津市が実施しているタブレット端末でのアンケートを県内で広げるべき。

木平教育長 メンタルの不調を早期に把握することは非常に大切。津市教委からアンケートの成果や課題などを確認し、他の市町に取り組みを紹介したい。新年度は一つの中学校区をモデルとし、潜在的に支援が必要な家庭を把握して支援する取り組みを行う。##◎県議会一般質問(5)舟橋裕幸議員(新政みえ)

保健所応援職員派遣の期間拡大を
舟橋裕幸議員(新政みえ)
「コロナ禍で保健所が混乱を極めている」として、応援に入る職員の派遣期間を拡大することを提案。県当局は派遣元の負担も減らす必要があるとして、現状の二週間を維持する考えを示した。

【応援職員】
舟橋議員 新型コロナの対応で最大の課題は感染者が非常に多いこと。保健所は混乱を極めている。対策は取られているが、応援の職員は二週間が基本で、引継ぎを考えると実質的には十日程度。応援の期間を拡大しては。

高間総務部長 感染状況の先行きが見えずに長期化する中、多くの職員を持続的に派遣する必要があり、派遣元の負担も減らすためには二週間が限度だと考える。前後の派遣者で応援期間の重なりを設けるなど、スムーズに業務に入れるよう努めている。

【庁舎建設】
舟橋議員 県庁は昭和39年の完成。耐震化をしたとはいえ老朽化は避けられず、手狭になっている。危機管理の司令塔としての機能は大丈夫か。吉田山周辺の施設は建て替えの時期にある。今から全体的な構想を描く必要がある。

知事 財政状況を踏まえて新築はなかなか難しい。公的施設を立派にする必要はないが、いずれ建て替えの時期が来る。周辺の建物と一緒にバランス良く総合的に考える必要がある。担当部局が土地利用について考えている。県民の役に立つ県庁を検討したい。

加太医療保健部長 受診率が特に低い市町には助言をしている。コロナ禍で検診の延期や中止を決めた市町もあった。がん検診は不要不急の外出に当たらないことを周知していく。本年度は「ナッジ理論」を活用して検診に誘導する事業を亀山市で進めている。