改善命令や行政代執行も PCB未処分業者に県方針 三重県議会・一般質問

三重県議会2月定例月会議は4日、藤根正典(新政みえ、3期、熊野市・南牟婁郡選出)、前野和美(自民党、5期、津市)、森野真治(新政みえ、4期、伊賀市)、田中祐治(自民党、2期、松阪市)の4議員が一般質問した。廃棄物対策局は高濃度PCB(ポリ塩化ビフェニール)を保管している事業者がPCB特措法で定める本年度末の期限を過ぎても処分しなければ、改善命令や行政代執行も視野に対応する方針を示した。森野議員への答弁。

「高校の統合」の対応は ― 藤根正典議員(新政みえ)

県教委が次期県立高校活性化計画の案で「高校の統合」に言及したことに「地域にとっては大きな問題」と指摘し、対応を尋ねた。県教委は「統合の結論ありきでは協議しない」として理解を求めた。

【移住促進】
藤根議員 県は新年度から、移住の促進を通じた持続可能な地域づくりに取り組む。これまでの移住促進に向けた取り組みに対する評価と持続可能な地域づくりに向けた視点は。また、選ばれる三重に向けたアプローチは。

山口地域連携部長 県内への移住者は6年間で1900人を超え、一定の成果が出ている。一方で移住者に末永く暮らしてもらう必要がある。新年度は県外の若者と交流し、受け入れ側のネットワークも活用して移住を促進する。関西圏からの移住に注力したい。

【高校統合】
藤根議員 次期県立高校活性化計画案は「高校の統合」に言及した。統合には保護者のコンセンサスが必要で、地域にとっても大きな問題となる。小規模校の活性化に対する捉え方は。次期計画に「統合」を盛り込んだ背景は。

木平教育長 入学者の大幅減が見込まれる中で、これからの時代に求められる学びを提供しなければならない。現行の配置を継続するのは難しく、各地域で高校の配置について検討を進める。統合の結論ありきで協議せず、地域の実情に応じて丁寧に進める。

水産高実習船の完成は ― 前野和美議員(自民党)

県教委が新造する県立水産高の実習船について、完成の時期や規模を尋ねた。県教委は既に設計を終え、令和5年度末の完成を目指すと報告。総トン数を現行の実習船「しろちどり」の約1・5割増とする考えを明らかにした。

【最新技術】
前野議員 津市内のトマト農園では自動で収穫作業をするロボットを導入し、安倍晋三首相(当時)が視察したこともある。農業高校で10年以上前の機械を使っていたらスマート農業は進まない。教材を更新する計画は。

木平教育長 文科省や農水省の事業を活用し、令和2年度から更新を進めている。自動で水平を保つ最新のトラクターやコンバインのほか、温度や湿度などを自動で制御する温室も整備している。今後も各校の状況を把握しながら必要な対応をしたい。

【実習船】
前野議員 県は新年度当初予算案で、水産高の実習船「しろちどり」を新調するための費用を計上している。長期間にわたる航海に耐えうる実習船にしなければならないと考えるが、規模や装備、進水までのスケジュールは。

木平教育長 新たな実習船の設計は2月末に完了した。連続30日以上の航海を想定し、総トン数を570トン、全長を62メートルとする予定。乗員は最大69人。最新の魚群探知機や電子海図を表示するシステムも備える。令和5年度末の完成を目指す。

夜間の避難訓練実施を ― 森野真治議員(新政みえ)

夜間に避難訓練を実施する重要性を訴え、県内の実績や県の対応を尋ねた。県当局は県内で9市町が夜間に避難訓練を実施していることを明らかにし、拡大に向けて情報共有を図る考えを示した。

【夜間訓練】
森野議員 台風の場合は明るいうちに避難するにしても、南海トラフ地震によって夜間に津波警報が出される可能性はある。夜間に避難できるのかを確認しておくことは非常に重要。夜間に実施している避難訓練の状況は。

野呂防災対策部長 県内では九市町が夜間の避難訓練を実施してきた。一方で夜間訓練は交通事故やけがなどのリスクがあり、ハードルが高いとの声がある。実際の訓練で得た情報を市町と共有するなどし、円滑に夜間訓練を実施できるようにしたい。

【PCB】
森野議員 ポリ塩化ビフェニールは、国のPCB特措法によって処分期間が設定されている。県は新年度当初予算案で、PCBの適正管理推進事業として5千万円を計上した。PCBの適正な処理の推進に向けた県の取り組みは。

増田廃棄物対策局長 県内ではPCBを保管する約2700事業者のうち、昨年度末で7割の処分が完了した。高濃度PCBは本年度末で95%の処分が完了する見込み。高濃度PCBを保管する事業所を強く指導し、応じなければ改善命令や行政代執行を行う。

木材価格高騰を好機に ― 田中祐治議員(自民党)

木材の価格高騰(ウッドショック)は「外材から地域材に転換するチャンス」と強調。県当局も「県産材のシェア拡大に向けたチャンスと捉えている」とし、生産や供給の体制強化に向けた支援に努めていると説明した。

【公共交通】
田中議員 コロナ収束後も県内の公共交通は厳しい状況が予想される。公共交通を提供する責任は自治体にあるとも言われている。そもそも収益が見込めない路線を民間に任せるのも無理がある。国交省出身の知事として見解は。

知事 高齢化によって公共交通の必要性が高まっているが、黒字路線が減ったことで維持が難しくなっている。コロナの影響で収入が見込めなければ、ほとんどが赤字。公設民営を考えなければならない時代になった。市町や交通事業者と連携して対応したい。

【木材供給】
田中議員 世界中で木材の需要が高まったことで木材の価格が跳ね上がり、30年ぶりの高値になりつつある。「ウッドショック」は外材から地域材に転換するチャンスだと考えるが、県はどのように取り組んでいくのか。

更屋農林水産部長 ウッドショックを県産材のシェア拡大に向けたチャンスと捉え、生産能力や供給体制の向上、原木の供給などに取り組んでいる。今後も県内の木材供給に注視しながら関係団体と連携し、木材の安定供給に向けて取り組む。