2022年3月2日(水)

▼本紙企画『まる見えリポート』が鈴鹿サッカースタジアムの着工を巡り、許可した県や担当する鈴鹿市などのひとごとのようなコメントを伝えたばかり。サッカーのJリーグが鈴鹿ポイントゲッターズのガバナンス体制に不備があるとしてJリーグ準加盟申請に相当する「百年構想クラブ」の資格を一時停止したのは衝撃だった

▼昨年6月着工予定が2月9日へと大幅にずれ込んでいたが「リポート」掲載の同28日前に至っても現地、県営鈴鹿青少年の森公園には工事予告の看板が設置されたまま。来年3月の供用開始に間に合うのか。取材記者に対し、チーム運営会社のアンリミテッドは「中断の指示は出していないので工事の準備もあるのだろう。全て業者に任せてある」

▼悠揚迫らぬ態度はある意味、安心させもするが、市スポーツ課は「園路の付け替えに向けた事前の準備段階ではないか」という推測を根拠に、本格工事前に看板を変えれば「問題ない」。こちらの悠揚迫らぬ態度は、行政としての的確さに欠ける

▼鈴鹿ポイントゲッターズは伊賀市のチームを招いたことが母体。内紛で現チーム名になったが、その後も元執行役員からいわれなき金品の請求を受けたとしながら、請求額7500万円の約三分の一、2500万円を支払ったとして、驚かされた。八百長試合をしたかどうかのいさかいだが、Jリーグは「断定できなかった」

▼「公益性の高い施設」だと公園使用料を免除した県だが、施設に公益性があればいいわけでもあるまい。透明性ある説明をというのが本紙の主張。かみしめねばなるまい。