いじめ訴えも認知せず 調査開始1年遅れで三重県教委報告

【記者会見で、調査報告書について説明する尾崎対策監(左)ら=県庁で】

生徒側からいじめの訴えを受けた三重県立高が調査を開始するまでに約1年間を要した問題で、県教委は24日、学校が設置した第三者を含む調査委員会の報告書を公表した。生徒が転校した理由について「学校側は進路変更と捉えていた」と指摘。学校側の問題点に初動対応や組織対応の不備を挙げた。

報告書によると、生徒は令和元年の高校入学直後から同級生に荷物を持たされたほか、電車で席を空けてもらえないなどの被害を受けた。その年の夏休み明けから不登校となり、同年12月に転校した。

生徒の父親は同年5月、いじめを学校に訴えたが、重大事態と認定されたのは翌年の5月だった。学校側は調査委の聞き取りに「他の生徒に知られたくないとの希望が生徒にあった」と説明したという。

報告書は学校側の対応について「生徒側から申し出があった時点でいじめの認知や対応をすべきだった」「担任ら一部の教員に対応を任せていた。いじめ根絶への意識が希薄だった」などと指摘した。

また、生徒が転校した理由について「学校側は進路変更のためと捉え、重大事態として扱う意識を欠いていた」と指摘。不登校になった理由も「学校は進路変更のための準備期間と捉えていた」とした。

腹を殴られるなどした中学での被害にも言及。「学校や亀山市教委は生徒側が求めても重大事態として扱わなかった」「県教委も中学時代の被害を把握していたが、市教委に指導や助言をしなかった」とした。

県教委の尾崎充子ども安全対策監は記者会見で「重大事態の疑いが生じた段階で速やかに対応すべきだった。二度とないよう、法やガイドラインに基づく対応を学校や市町の教育委員会に依頼した」と述べた。

調査委は令和2年6月から7回にわたって開かれ、昨年1月28日に報告書を作成。県教委は報告書の公表までに約1年を要した理由について「生徒の同意を得るのに時間がかかっていた」としている。