三重県議会代表質問 施設建て替え抑制撤廃に難色 県当局「県債管理基金不足」

三重県議会2月定例月会議は24日、三谷哲央(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡選出)、中森博文(自民党、5期、名張市)、倉本崇弘(草莽、2期、桑名市・桑名郡)の3議員が代表質問した。倉本議員は「県財政に改善の兆しが見えつつある」とし、平成27年度から実施している県有施設の建て替え抑制を撤廃する考えがあるかどうかを尋ねた。これに対し、県当局は将来の借金返済に備える県債管理基金への積み立て不足が105億円に上っていることなどを理由に、現時点での撤廃には難色を示した。

■中期計画に貧困問題は ― 三谷哲央議員(新政みえ)

三谷哲央議員(新政みえ) 県が中期計画「みえ元気プラン」(仮称)で特に注力する課題に掲げた「七つの挑戦」に、貧困や格差の記述がないと指摘。一見知事は「貧困も大きな問題だと考えている」と述べ、記述を再検討する考えを示した。

【基本理念】
三谷議員 これまで3人の知事は、それなりに基本理念があった。北川氏は生活者起点、野呂氏は新しい時代の公や文化力、鈴木氏は幸福実感日本一などを掲げていた。一見県政が掲げる「強じんな美し国ビジョンみえ」の基本理念は。

知事 三重の素晴らしいところを発展させることが大事。命と暮らしを守る取り組みをしっかりと進め、競争力を高めてあらゆる意味で選ばれる地域にしていく。子や孫の世代に向け、持続可能な地域にしていくという考え方がビジョンのベースにある。

【中期計画】
三谷議員 5年間の中期計画「みえ元気プラン」には新型コロナウイルスに関する記述があるが、5年先までもコロナなのか。「七つの挑戦」に掲げた脱炭素や観光も大切だが、貧困や格差、分断などの課題に挑戦すべきだと思う。

知事 プランには「新型コロナウイルス等」と書いているが、それでは県民から指摘もあると思う。どういった書き方が理解してもらいやすいかを考えたい。貧困も大きな問題だと考えている。どういった書き方が適切かを相談させていただきたい。

■信頼関係構築の手法は ― 中森博文議員(自民党)

県政運営には県民や職員の信頼が不可欠と強調し、その手法を尋ねた。一見知事は自らを知ってもらうため、県民との対話を進めると説明。職員からの信頼を得るために「上意下達ではなく議論をしていく」と述べた。

【ビジョン】
中森議員 知事は長期ビジョンを策定することを判断したが、県議会も中長期的な計画に対して議決をすることになる。よりよいビジョンにしてもらいたいと思うが、なぜビジョンを策定すると判断したのか。改めて聞きたい。

知事 まずは県政の課題を整理することが重要で、それがビジョンの役割。リスクにどう対処し、チャンスを逃さずに発展につなげていくかの羅針盤となる。県民の安全安心を確保して選ばれる地域になるにはどうすべきかを考えて策定を進めている。

【信頼】
中森議員 県政は県民からの信頼で成り立つ。職員からの信頼を得ることも大事。どうすれば県民や職員に信頼されるか。人は尊敬する人に耳を傾ける。「さすが知事」と思ってもらえるようにしてほしい。県政運営の基本姿勢は。

知事 上意下達ではなく議論をする。職員を信頼することも大事。県民には私を分かってもらうため、いろんな所で話をしたい。尊敬する人物は冬柴元国交大臣。今も難しい問題があると心の中で相談する。冬柴大臣のような人に1ミリでも近づけるよう頑張りたい。

■防災減災への考え方は ― 倉本崇弘議員(草莽)

知事交代に伴い、防災減災対策などに新知事の知見や考えをどう反映させるかを尋ねた。一見知事は「災害から県民の命と財産を守ることは行政の使命」とした上で、国や市町との連携強化などに努める考えを示した。

【防災減災】
倉本議員 前知事は紀伊半島大水害や東日本大震災を受けて防災減災に注力した。ここに新たな考え方を落とし込むことが重要。大胆に見直す好機でもある。危機管理統括監の恒久的な必要性には疑問がある。防災への考え方は。

知事 災害から県民の命と財産を守ることは行政の使命。防災減災を掲げていない知事はいない。長期ビジョンに安全安心の確保を掲げた。対策本部のオペレーションルームが必要で、国や市町との関係も強化すべき。ソフトとハードの両面から進めたい。

【財政】
倉本議員 新年度予算は県債残高が4年ぶりに減少した一方、相変わらずハコモノ建設の凍結は依然として続いている。財政が改善の兆しを見せつつある中で今までのように県債残高や公債費比率を過度に意識する必要はないのでは。

高間総務部長 さまざまな取り組みによって収支は改善してきたが、県債管理基金への積み立て不足が105億円ある現状を踏まえると、ハコモノ抑制は撤廃できない。いずれにしても必要な投資は重要。起債とのバランスを考えて予算を編成したい。