「明治の鬼才 菫月一露」上梓 四日市の志水さん、詩歌集を翻刻収録 三重

【「明治の鬼才 菫月一露」を手にする志水さん=四日市市江村町の志水さんの自宅で】

【四日市】三重県桑名市長島町出身の歌人・詩人の菫月一露(きんげついちろ)(1886―1907年)の詩歌集「鬼百合」を、日本文藝家協会会員の志水雅明さん(72)=四日市市江村町=が翻刻した。このほど上梓(じょうし)した「明治の鬼才 菫月一露」(私家版)に収録した。

「鬼百合」は明治38(1905)年、一露が19歳のときに発表した。長詩8編、短歌298首が収められている。当時、500部を出したが、日の目を見ることはなかった。今ではほとんど残っておらず、古書は高値が付いて入手困難という。

志水さんは若い世代にも一露の詩や短歌に親しんでもらえたらと、旧字体を新字体に改め、一部修正を加えた。著書は、かつて志水さんが指導していた読書会の同人集「輪(りん)」に寄稿した原稿を基に、加筆修正したもの。A5判、106ページで300部を作った。

呼吸器疾患のため、20歳の若さで生涯を終えた一露。志水さんは「寿命がもう少しだけ長ければ、多くの人に『鬼才』と評されたに違いない」と惜しむ。今年は没後115年の節目に当たり、「一人でも多くの人に一露の存在を知ってもらい、その魅力を堪能していただけたら」とも話した。

希望者には、一部1210円(税込み)で譲っている。問い合わせは志水さん=電話059(326)1970=へ。