築62年の空き家をリノベ、賃貸住宅に 南伊勢町で見学会 対策モデルとして期待

【築62年の空き家をリノベーションした賃貸住宅を紹介する西川さん(左)と東さん=南伊勢町切原で】

【度会郡】コロナ禍で地方移住への関心が高まる中、築62年の空き家をリノベーションした賃貸住宅の見学会がこのほど、三重県南伊勢町切原であった。町内で増加する空き家は町が抱える地域課題の一つ。今回の空き家の利活用が、若者の移住・定住促進や空き家問題の解消につながるモデルケースになると期待が寄せられている。

町内の空き家軒数は、空き家バンクを創設した平成27年の893軒に対し、昨年の調査で1763軒と2倍近くに増加。現在は、地域活性化グループ「むすび目Co―working」が町と協働で対策に取り組み、空き家バンクの運営や移住相談のサポートなどを行っている。

【リノベーションする前の空き家(むすび目Co―working提供)】

同グループの西川百栄さん(46)によると、町内にはアパートなど移住者が希望する賃貸物件が少なく、空き家バンクの登録はほとんどが売却物件という状況で、移住希望者をうまくマッチングできないのが課題という。そのため、所有者に空き家を放置した際のリスクや空き家バンクの制度を知ってもらうセミナーなどを行っている。

今回は、岐阜県で不動産事業などを展開する東英洋さん(49)が町の課題に共感し、協力。東さんは古い家屋をリノベーションして賃貸物件とする事業を行っていて、同町でも昨年11月から空き家の改装を進め、地域住民らもペンキ塗りなどを手伝ったという。

完成した賃貸住宅は間取りが1LDKで収納部屋もあり、ベッドや冷蔵庫など家具・家電を備えた。毎月の家賃は5万円(入居者決定済)。以前の家の様子を知る見学者は「想像していたよりおしゃれで住んでみたい」と驚いていた。

東さんは「暗い空き家に明かりがともると町の雰囲気も明るくなる。空き家を活用してこんなことができるというモデルケースになれば」、西川さんは「空き家はマイナスと思わずにプラスと捉え、放置せずに活用できることを知ってほしい」と話した。